「6月の行事」と聞いて、とっさに思い浮かぶものがある方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。6月は、5月や7月に比べると、有名な行事どころか祝日もありません。
そのため、病院や老人ホームでも、行事にちなんだ献立作りに工夫が必要だと言われやすい月なのです。
ですが、調べてみると、ぱっとした華やかさこそないものの、実は日本らしい素敵な行事が多いことに気づかされます。
そこで、今回の記事では「梅雨・父の日・夏至を介護食で楽しむポイント」について解説します。梅雨や夏至など、6月は和の雰囲気のある、しっとりと落ち着いた時間を過ごすのにぴったりです。
ぜひこの記事を少しでもご参考にしていただけたら幸いです。
介護食で楽しむ6月の行事食【1】梅雨・梅雨入り
減塩の梅、梅しそふりかけ、舌でつぶせる梅のお粥など、介護食でもとても人気の高い梅。お体の状態に合わせて様々な種類が販売されているので、主食にもおかずにもぴったりです。
特に、6月の梅雨の時期は、お弁当にもおすすめです。
(1)食欲増進におすすめの梅ごはん
【材料】
米…2合
梅干し(減塩)…2〜3個
だし汁(減塩)…約300ml
みりん…大さじ2
梅干を最初から一緒に炊き込むことで、より風味豊かになります。腎臓病の食事療法を行っている方の場合は、梅干とだし汁は減塩商品にしましょう。
(2)あじさいのゼリー・寒天
きらきらした透明感が人気のあじさいのゼリーや寒天は、この時期が旬のお菓子です。
噛む力や飲み込む力が弱まっている方はゼリー、腎臓病食の方は食物繊維たっぷりの寒天というように、お体の状態に合わせて選びましょう。
【ゼリーの材料】
水:200ml
粉ゼラチン:5g
かき氷シロップ(ブルー):40~60ml
あじさいの青色は、シロップの分量によって変えることができます。チェックしながら少しずつ足してみましょう。
ちなみに、紫色のあじさいもぶどうジュースで簡単に作れます。また、ブルーのかき氷シロップにいちご味や食紅などを足してもよいでしょう。
2色のゼリーを重ねて盛るだけで、SNSにも映える可愛いデザートになり、おすすめです。
介護食で楽しむ6月の行事食【2】父の日
6月の第3日曜日は「父の日」です。2023年は、6月18日になります。
父の日には特に決まった行事食がないので、病院や老人ホームではこの日の献立に「男性に人気のあるメニュー」を選ぶところが多いようです。
特に、スタミナのつく丼もの、居酒屋風メニューを薄味にしたもの、カレーなどが人気です。
(1)男性に人気!豚の生姜焼き
男性に人気の豚の生姜焼きは、父の日のメニューとしてもおすすめです。
豚バラのスライスは加熱しても柔らかいため、嚙む力が弱くなっている方にもおすすめです。また、豚バラは他の部位に比べて高カロリーなので、少ない量でも効率的にカロリー摂取ができます。
(2)腎臓病食におすすめのてんぷら
てんぷらは、腎臓病の食事療法を行っている方にもおすすめのメニューの一つです。塩分調整がしやすく、低たんぱくで高カロリーなので、腎臓病食に適しています。
ちなみに、てんぷらに添える大根おろしは、すりおろすことでカリウムが溶け出すので、茹でる・水にさらすといった前準備は必要ありません。
水気をよく切ってから使いましょう。
介護食で楽しむ6月の行事食【3】夏至
一年のうちで、日の出から日没までの時間が最も長い「夏至」。夏至の日は太陽の動きによって決められるので、毎年変わります。2023年は、6月21日(水)です。
夏至もはっきりとした行事食が決まっているわけではないので、その時期に旬の食材などを召し上がるのがよいでしょう。
(1)関西では習慣になっているタコ
関西地方では、夏至にタコを食べる習慣があります。田植えの後で稲が成長する時期なので、「稲がタコの8本足のように深く根を張りますように」という願いが込められています。
また、この時期のタコは栄養価が高く、夏バテに効果的だと言われるタウリンが豊富なことも理由の一つです。
(2)夏みかんやあんずのデザート
夏みかんやあんずは、ほどよい甘酸っぱさがあり、暑さで食欲が落ちる時期にも召し上がりやすい果物です。
人気のある風味なので嚥下困難の方向けの介護食など、すでに様々な食品が販売されています。
6月の行事食に介護食を ごはんにデザートにおすすめの市販品3選
6月の行事食としてもぴったりの、おすすめできる介護食の市販品を3選紹介します。
梅びしお 300g
紀州産南高梅を使用し、しその風味と旨みを加えた調理用梅肉です。
【冷凍】あいーと 豚肉の生姜焼き 66g
あいーと豚肉の生姜焼きは、隠し味にニンニクを使用した豚肉を玉ねぎが包み込むような一品。家庭の味を存分に味わえます。
見た目は普通の食事。舌でつぶせる冷凍介護食あいーとを是非お試しください。
【購入者様の声】
見た目も普通の食事と変わらず味も良いです。お粥状の物しか食べれない主人も食べられます。量もちょうど良いです。もう少し安ければ毎日使いたいくらいです。
やさしくラクケア 黒蜜黒ごまプリン 63g
1食あたりたんぱく質5.1g、エネルギー150kcalの和風デザートです。
小容量(63g)で、食の細い方でも食べきることが出来ます。高齢者に好まれる和風アイテムです。
まとめ:6月の行事食にはしっかりスタミナをつけられるごはんを味わおう
6月は、「春のように屋外でいきいきと」というよりも、梅雨入りとともに屋内でゆっくりと落ち着いて過ごすのがおすすめです。
そんな季節にぴったりなのが、あじさいのゼリーです。透明感があって綺麗で、しかも手軽に作れます。インターネット上には作り方の動画もたくさんあるので、ぜひ試してみて下さいね。ご家族と一緒に作るのにもちょうどよいメニューです。
また、6月は、これからやってくる暑い季節に備えてしっかりと体力をつけておきたい時期でもあります。豚の生姜焼きやてんぷらなどで、スタミナをつけておきましょう。あまり食欲がわかない方は、梅を使ったメニューや、フルーツ味のゼリーなどを召し上がってみて下さい。
栄養のある旬の食材をいただきながら、ぜひ梅雨や夏至など、四季の移り変わりを楽しんで下さいね。