腎臓病の食事療法が始まると、これまで何気なく召し上がっていた食事についても、一通り見直してみたくなるものですよね。中でも、多くの方がこれからも召し上がってよいのかどうか迷ってしまう食材が、野菜と果物ではないでしょうか。
これまで、お体の調子を整えてくれる食材として豊富に摂ってきた野菜と果物ですが、「腎臓病食」としても大丈夫なのか、心配ではあります。
結論から申し上げると、腎臓病でも野菜と果物は召し上がれます。
今回の記事では、「腎臓病食の野菜と果物」をテーマに解説します。
含まれる栄養素やおすすめの食材、調理法など、腎臓病食として上手に摂るためのポイントを紹介
します。
また、記事の最後には、野菜や果物に似た栄養の摂
れる栄養機能補助食品なども紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
【1】腎臓病食の野菜と果物 栄養素について知ろう
最初に、野菜と果物の栄養素について、「腎臓病の食事療法」という観点から解説します。
腎臓病でも野菜や果物は食べられる?
腎臓病の食事療法を行っていても、野菜や果物は召し上がれます。具体的な食材の種類や量は人それぞれ異なりますが、何もかも禁止されているわけではありません。
野菜や果物で注意すべき栄養素は、主に「カリウム」です。
ですが、ビタミンや食物繊維なども豊富に含んでいるので、最近では腎臓病の方でも召し上がるように指導する専門医も増えてきています。
また、カリウムの制限は一般的にはステージ3bから始まり、すべての方に必要なわけではありません。数値が高い場合のみです。
カリウム制限がある場合の目安量は、下記の通りです。
ステージ3b:2,000mg以下
ステージ4~5:1,500mg以下
野菜と果物にはどんな栄養素が含まれる?
野菜と果物は、ビタミン、食物繊維、葉酸、アミノ酸、カルシウム、鉄など、体の調子を整えてくれる栄養素が豊富に含まれています。
腎臓病の食事療法が始まっても、カリウムの少ない食材を上手に選んで摂ってゆきたい食材です。
カリウムの過剰摂取はどんな症状が起こりやすい?
実は、カリウムそのものが腎機能を低下させるわけではありません。
カリウムが血液中に溜まりすぎると心臓の不整脈や心停止などを起こしやすいため、ステージによっては制限するように指示しているのです。
【2】腎臓病食の野菜と果物 上手に摂るポイント4つとは
腎臓病の食事療法で野菜と果物を上手に摂るためのポイント4つを解説します。
(1)腎臓病食で摂りたい野菜と果物
【野菜】
腎臓病の食事療法では、基本的にはどの野菜も召し上がれます。たんぱく質が低く、ビタミンや食物繊維などが豊富なため、たっぷりと摂ってゆきたいものです。
また、カリウムは熱に弱いので、野菜に含まれるものはある程度調理で減らすことができます。具体的な方法については、次の段落で詳しく紹介します。
その一方で、「この野菜を食べれば腎臓はよくなる」というものでもありません。
食事療法の基本は「4栄養素を控えたバランスのよい食事」なので、むやみに1つの食品や食材を摂るのはやめましょう。
【果物】
生の果物はカリウムが多いので、できるだけ缶詰で摂るようにしましょう。ですが、缶詰でもカリウムの多い商品もあるため、必ず成分表をチェックして下さい。
(2)腎臓病食で控えたい野菜と果物
カリウムが特に多く、摂取量に注意が必要な野菜と果物は、下記の通りです。
【野菜】
芋類・かぼちゃ・白菜・キャベツ・なす・ほうれん草・小松菜など
【果物】
バナナ・アボカド・キウイフルーツ・メロン・桃など
それ以外にも、100%の野菜ジュースや果汁ジュース、煮詰めたソースなどはカリウムが多いので、摂取量には十分注意しましょう。
(3)調理のコツは「茹でこぼす・水にさらす」
調理の下準備として野菜を「茹でこぼす」「水にさらす」ことで、カリウムを減らすことができます。
【茹でこぼす】
カリウムは、たっぷりのお湯で長時間茹でるほど減らせますが、食材がくたくたになるまでやる必要はありません。
目安は、葉物は3~5分、根菜は10~15分です。豆類は、2回繰り返すことで減らせます。
茹でこぼしてもあまりカリウムが減らない食材は、根菜類、芋類、豆類などです。召し上がる量に気をつけましょう。
【水にさらす】
茹でこぼしよりは効果が少ないものの、水にさらすことでもカリウムは減らせます。
水に触れる面積が大きく、多いほど溶け出しやすいので、みじん切り、千切り、薄切りがおすすめです。
その後、食材が十分浸かるような水でさらして下さい。
(4)ビタミンや食物繊維は栄養機能補助食品で摂るのも◎
野菜や果物を「栄養のために摂りたい」という方には、栄養機能補助食品がおすすめです。
ビタミンや食物繊維などに加え、鉄分やミネラル、乳酸菌や必須アミノ酸など、日ごろ不足しやすい栄養素が強化してある商品も多く、お体全体の健康を高めることもできます。
腎臓病食のビタミンと食物繊維 手軽な栄養補給におすすめの市販品3選
腎臓病の食事療法を行っていても、毎日ラクにビタミンや食物繊維を摂れる飲み物やゼリー3選を紹介します。
元気ジンジン レモン 100ml×18本
「元気ジンジン レモン」は、1本(100ml)当たり、エネルギー125kcal、食物繊維5.5g、カルシウム120mgが補給できる、高カロリーの乳酸菌飲料です。
リニューアルによってたんぱく質・カリウム・リンを減らしているため、腎臓病の食事療法を行っている方でも安心して召し上がれます。
同シリーズにはこのほかに、アップル、ホワイトウォーター、グレープ、コーヒーの4種類があります。
風味によって強化している栄養素が異なり、アップル、ホワイトウォーター、レモンはカルシウムを、グレープは鉄を多めに配合しています。
【購入者様の声】
水分制限の中、低血糖発作で糖分補給したい時手軽に補給できてとても便利です。単価も安くその点も嬉しいです。
おいしくせんい マンゴープリン 63g
「おいしくせんい マンゴープリン」は、1個(63g)で約7gの食物繊維や、整腸作用のあるガラクトオリゴ糖を摂ることができます。
生のマンゴーはカリウムが高く、腎臓病食を行っている方には召し上がりにくい果物です。原材料にマンゴーピューレを使っているこのプリンで、ぜひ本物らしい味わいを楽しんで下さい。
同シリーズにはこのほかにも、うめ、もも、りんご、ココアの4種類があります。どれも冷やすとさらに美味しくなるので、これからの暑い季節におすすめです。
ブイ・クレスCP10ゼリー 80g ブイクレス
「ブイ・クレス CP10ゼリー」は、ビースタイルでも人気の飲料「ブイクレスCP10」が、飲み込みやすくてなめらかなゼリーになった商品です。
1個(80g)に12種類のビタミンと鉄、亜鉛などのミネラルのほかに、コエンザイムQ10やコラーゲンペプチド10,000mgなどをたっぷりと配合しています。
噛む力や飲み込む力が弱まっている方や、あまり食欲のわかない方でもストレスなく召し上がっていただける、好まれやすいミックスフルーツ風味です。
まとめ:野菜と果物は少しの工夫で腎臓病の方でも食べられる!
腎臓病食の中で、これからも召し上がってもよいのかどうか迷ってしまいやすい食材が野菜と果物ですよね。
ですが、今回の記事で紹介してきたように、どちらも召し上がっても大丈夫です。
野菜と果物はビタミンや食物繊維などを多く含み、お体の状態を整えてくれる食材でもあります。食材選びや調理法でカリウムを上手にカットしながら摂りましょう。
ビタミンや食物繊維などの栄養素だけを摂りたい場合は、栄養機能補助食品を利用することをおすすめします。4栄養素を控え、高エネルギーで、種類も豊富なので、ラクに続けられます。
鉄や亜鉛、乳酸菌などを豊富に配合した食品もたくさんあるので、ぜひ毎日の暮らし取り入れて下さいね。