ペースト食とは、肉や野菜などを細かくすりつぶして、咀嚼や吸収しやすいように工夫した食事のことです。文字通り、ペースト状になった食事です。
食べる方の咀嚼(噛む)機能や嚥下(飲み込む)能力に合わせて、食事形態はスープのようにさらさらしている場合や濃厚なポタージュのようにもったりしている場合もあります。
今回は手軽に作れるペースト状の介護食レシピや、毎日続けるために活用したい介護食の通販についてご紹介していきます。
どんな人が食べるの?
人は普段、無意識に食べ物を食べたときに飲み込めるサイズになるまで歯で噛み、ある程度細かくなったら食べ物をある程度まとめて喉の方に送り込んでいます。
しかし、歯が無かったり(少なかったり)、口の筋肉の機能が衰えているとこういったことが難しくなってしまいます。
やはり生きている限りは何かしらの方法で栄養を摂っていかないといけませんし、口から食べるというのは生きる楽しみでもあります。
ペースト食はそんな方が口から栄養が摂れるように食べやすくした食事なのです。
ペースト食は作るのが大変?!
「ペースト食ってどうやって作るの?」
「なんだか難しそう…」
そう思われている方もかなり多いです。
しかし、ペースト食は道具が最低限揃っていれば調理方法はとても簡単ですし、食材はペースト状にしてしまうので使用出来る食材の幅も逆に増える場合もあります。
ペースト食は食べる方も飽きやすい?!
ペースト食は普通の食事と比べても、食事形態は全て同じ(全てペースト状)となってしまうので使用する食材や盛り付けなどで工夫をしないと非常に飽きやすくなってしまいます。365日、朝昼晩と全ての食事がペースト状と考えただけでも少し嫌になりそうですよね。
ペースト食を楽しむための工夫
ペースト食を楽しむためには、まずは盛り付けを工夫することが大切です。
ペースト食はミキサーにかけてしまうので使用できない食材はほぼ無いと言ってよいでしょう。ただ、ミキサーをかける時にちょっとした工夫をすることが大事なのです。
例えば、肉じゃがのペースト食を作るとします。
肉じゃがを仕上げた時点では人参の赤、じゃがいもの黄色、牛肉や煮汁の茶色がはっきりわかるかと思いますが、これを全て一気にミキサーにかけたらどうなると思いますか?実は灰色に近いようなペースト食になってしまうのです。
これを肉じゃがと知らなかったら何かもわかりませんし、知っていたとしても食欲はわきませんよね。
人の食欲は見た目や臭いなどの五感が非常に関わっているので盛り付けはかなり重要です。
肉じゃがは食材ごとにミキサーにかけて、お皿にそれぞれ盛り付けると、とてもきれいで美味しそうな仕上がりになります。
ペースト食を作るのに必要な道具
ペースト食を作る時に、自力ですり潰してペースト状にするのは形状もばらばらになってしまい、労力もかかります。
ペースト食を自宅で調理するには最低限の道具は必要になりますが、一度購入してしまえばずっと使用できるものなので、購入しておくことをおすすめします。
その他、場合によっては消耗品の購入が必要な場合もあります。
①ミキサー
ミキサーは食材や料理を撹拌し、ペースト状にする調理用の家電です。
ジュースやポタージュを作るときにも必要な道具になるので、ひょっとしたら既にお家にあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ミキサーは価格もお手頃なものも多く、フードプロセッサーとお鍋で直接使えるハンドミキサーがセットになっているものなど、最近は種類も豊富です。
ただし、大きければ大きいほどパーツを分解するのが大変だったり、収納スペースが必要になるのでペースト食を作る量によって大きさを選ぶようにすると良いでしょう。
②必要時にはとろみ調整剤
あまりにもペースト食がさらさらしていると、飲み込んだ時に食道を流れるスピードが速すぎて飲み込みの筋肉が追い付かず誤嚥する危険性があります。
そのような場合にはとろみを調整する調整剤やゲル化剤を使用すると良いでしょう。大袋のものから小袋のものもあるので使用する場所によって使い分けましょう。
ペースト食レシピ
①余ったご飯で卵雑炊
★冷凍ご飯やレトルトご飯で出来るお手軽レシピです。
卵を入れるのでたんぱく質も同時に摂れて栄養価UP!
卵以外にも鮭、鶏肉、豆腐など雑炊に合うものなら何でもOKです。
雑炊は食べる量が少なくても混ぜ込むことで栄養価をUPさせることができますよ!
・ご飯:茶碗1杯
・水:ご飯の2倍の重さ
・卵:1個
・味噌や醤油:適量、お好きな味付けで
(作り方)
①ご飯と水を鍋に入れて火にかける。
②ご飯がふやけてきたら、お好きな調味料で味付けをする。
③仕上げに卵をふんわり入れて軽く混ぜる。
※盛り付けを別にする場合は卵は別で煮ておいてください。
④ミキサーにかけて盛り付ける。
②ハンバーグ
いつも家族が食べなれたハンバーグをミキサーにかけるだけ!
別に作るなんてしなくて良いんです。たんぱく質がしっかり摂れます!
お好みに応じてソースのバリエーションを変えると楽しいですね。
・ハンバーグ100g
・お湯100ml
・ゲル化剤(固形化調整食品) 肉の0.5-0.8%重量
・ケチャップ:小さじ1
・ウスターソース:小さじ1
(作り方)
①ハンバーグを小さい塊にしてミキサーに入れる。
②お湯を加えてミキサーにかける。
③途中でゲル化剤(固形化調整食品)を加えてミキサーを再度かける。
④器に盛り付ける時にハンバーグの形に盛り付け、ケチャップとソースを混ぜ合わせたソースをかける。
③チョコバナナペースト
★食べなれた果物でお手軽スイーツ!
夏は凍らせたバナナで作るとひんやりスイーツになりますよ!
・バナナ:1本
・牛乳:100cc
・チョコソース:お好きな量
(作り方)
①バナナは皮を剥き、ミキサーに入る程度に切る。
②バナナと牛乳をミキサーにかける。
③チョコソースをトッピングして完成。
④パイナップルミキサー
★果物は大好きな方が多いですよね!
しかし、繊維や種が多くて介護食にしては食べにくいのが現実です。
そんな時はペースト状にしてゲル化することで繊維が壊れて非常に食べやすくなります。パイナップル以外の果物でもできます。
・パイナップル:200g(生・缶詰どちらでもよい)
・ゲル化剤(固形化調整食品):缶詰のシロップも含む総体の1.5%
(作り方)
①パイナップルはざく切りにしてミキサーに入れる。
※缶詰の場合はシロップを少し入れると良いです。
②ゲル化剤(固形化調整食品)を加えてミキサーでしっかり撹拌し、固まったら取り出す。
③器に盛り付けて、お好みに合わせてソースなどをかける。
⑤市販品も便利
「出来る限り、家でペースト食を作ってあげたい!」
しかし、「今日はどうしても忙しくて作れない!」というときもありますよね。
そんな時には市販品のペースト食がおすすめです。
常温保存可能で賞味期限も長くストックしておけば、いざという時に便利です。また非常食としての利用もできますよ。
介護食の通販専門店ビースタイルではペースト食をはじめとする様々な介護食が豊富に揃っているので是非、利用してみてください。
まとめ
今回はペースト食について作り方やレシピをご紹介しました。
ペースト食は普段の食事とは別に1から準備をするイメージをもたれる方も多いのですが、必ずしもそういうわけではありません。
ミキサーにかける分、多少手間はかかりますが使用する食材自体は、ほぼ同じものを使用していけるでしょう。
忙しい時や今日は作れない!という時には市販品も使用することで家事とのバランスが取れますので上手に使用してみてください。