介護食の栄養補助食品とは?効率よく栄養補給するポイント!

介護食の栄養補助食品とは?効率よく栄養補給するポイント!
介護食の栄養補助食品とは?効率よく栄養補給するポイント!

栄養補助食品とは補いたい栄養に応じて食事や間食の代わりに利用する食品です。
栄養素は大きく分けて糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5種類に分類され、それぞれ役割も異なり身体にとって不可欠なものになります。

高齢の方の場合、食事の量も減ってしまい栄養素が不足しがちです。栄養が十分に摂取できないと、筋力や体力が低下してしまいます。そのため、介護食では栄養補助食品も活用しながらバランス良く栄養素を取り入れることがポイントになります。今回は介護食で利用される栄養補助食品と、栄養補給のポイントについて解説していきます。

 

 

人は1日にどれくらいの栄養が必要?

人間は1日にどれくらいの栄養が必要なのでしょうか?
基礎疾患やその人の栄養状態にもよりますが、一般的に高齢者では
エネルギー:体重×30kcal(50kgの場合は1500kcal)
たんぱく質:体重×1~1.2g(50kgの場合は50~60g)
が必要になってきます。

仮に、50kgの方ですと、1500kcalを朝、昼、夕と分けて摂取していくには
1食あたり500kcal分の食事を摂っていく必要があります。
これを食事に置き換えると…

主食:ご飯150g(お茶碗に軽く1杯)
主菜:焼き魚70gほど(切り身1切れ分)
副菜:小鉢で1~2品
汁物:1品

とこれくらいのボリュームを毎食食べる計算になり、「昔は余裕で食べられたけど、今はこんなに無理。主食にちょっとした漬物で十分。」という高齢者も多いです。
しかし、冒頭でも説明した通り、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素は身体に不可欠なものになるのでどれか一つでも足りなくなってしまうと身体に何かしら悪い影響を及ぼしてしまいます。

不足分を栄養補助食品で補おう

高齢であったり、噛みにくさや飲み込みにくさがあるなど、食事の際に不都合があると全部の栄養素を食事からまかなうのは難しい場合もあります。

そんな時は栄養補助食品を利用すると便利です!栄養補助食品は 病院や介護施設でも積極的に利用されています。少量で効率よく栄養が摂れ、味も好みに応じて色んな種類を選ぶことができます。

栄養補助食品の種類とは?

栄養補助食品にはどのような種類があるのでしょうか?
目的や身体の機能に合わせて選べるのは魅力的ですが、種類も沢山あり迷われるかもしれません。安全に、適切な栄養素を補給できるよう食べる方に合わせた栄養補助食品を選べるよう種類を説明していきます。

食事形態別

栄養補助食品を選ぶ上で、食事形態は最も大切であると言っても過言ではありません。
どんなに良い栄養が入っていても安全に摂取できる食事形態でなければ「誤嚥」を引き起こす恐れがあります。食事形態による種類は大きく分けて3種類あるので説明していきますね。

①飲料タイプ

飲料タイプの栄養補助食品は栄養素だけでなく水分摂取も同時に出来るのが嬉しいポイント。高齢になるとなかなか飲水が進まなかったり、喉が渇いても気づきにくくなったりと脱水になるリスクがとても高いのです。
そんな時に飲料タイプの栄養補助食品を使用すれば水分も同時に摂れて安心です。
しかし、水分でむせやすい方は注意するようにしましょう。
水分は喉を通過するスピードが速く、飲み込みの筋肉の反応が遅れてしまうことによって誤嚥を引き起こしてしまう場合があります。
そんな方には次にご紹介するゼリータイプを使用するようにしましょう。

②ゼリータイプ

ゼリータイプは文字の通り、さらさらの水分状ではなくゼリー状となっています。
さらさらの水分でむせてしまう方にはこちらのゼリータイプを使用すると安心です。
キャップを閉められるパウチタイプや食べ切りの小さいものまで種類が沢山あるので用途に応じて選んでみてくださいね。

③粉末タイプ

こちらは飲料タイプやゼリータイプのように食事にプラスして摂っていくのが難しい方や、栄養補助飲料の味がどれも合わない…という方におすすめです。
味も臭いもしないたんぱく質や脂質の粉末をおかゆやみそ汁などの食事に加えることで栄養を強化するので、味や食事量を変えることなく栄養強化できます。

栄養素別

強化したい栄養や基礎疾患などによっては、入っている栄養素にも注目しましょう。
どうしても分からない時は管理栄養士に相談すると良いですよ!

①バランスタイプ

バランスタイプは名前の通り五大栄養素がバランスよく入っています。
1本200kcal程度であることが多く、バランスの良い定食の約1/3程の栄養が摂取できます。
食事量が摂れない時には少量の食事にバランスタイプの栄養補助食品を合わせるのも良いですよ。一気に飲めなくても間食としてもおすすめです。

②たんぱく質強化タイプ

こちらは特にたんぱく質を強化したタイプになります。
よく薬局で目にするプロテインもこの仲間に入りますね。
・最近食べれてないし痩せてきた
・リハビリ後の栄養補給に
・食事や間食代わりに
・これから手術や抗がん剤などの治療を控えている

など、健康な方にも、治療やリハビリを受けられている方にもたんぱく質というのは栄養状態を落とさないためにとても重要な栄養素になります。
ただし、たんぱく質を摂りすぎてはだめな疾患(例:慢性腎不全、肝性脳症を伴う肝不全など)もありますので管理栄養士に相談するようにしましょう。

③ビタミン・ミネラル強化タイプ

噛みにくさや飲み込みにくさがあるとどうしても進まないのが繊維のある野菜です。
野菜自体にはエネルギーやたんぱく質はそんなに含まれていないものの、生命維持にかかせないビタミンやミネラルが豊富に入っています。
食事からビタミンやミネラルが補えない場合には栄養補助食品で補うようにしましょう。

④その他治療特殊食品

基礎疾患によって食事療法はかなり異なります。

糖尿病 カロリー制限
高血圧 塩分制限
腎臓病 たんぱく質制限、塩分制限、カリウム制限、リン制限
透析時 たんぱく質制限、塩分制限、カリウム制限、リン制限
肝臓病 たんぱく質制限と強化、分岐鎖アミノ酸の強化、塩分制限
呼吸器疾患 脂質強化、分岐鎖アミノ酸の強化

など、簡単にあげただけでもこんなにあるのです…。
これを管理栄養士でもない一般の方が毎日の食事でコントロールをするのはかなり難しいですよね。治療用特殊食品の栄養補助食品を使用すれば病状に合わせた栄養強化ができますよ。

栄養補助食品を使用したアレンジレシピ

①メイバランスフレンチトースト


メイバランスミニ詰合わせ-栄養補助食品通販-ビースタイル (b-style-msc.com)

とっても飲みやすいバランスタイプの栄養補助飲料をひと工夫して栄養たっぷりフレンチトーストに仕上げます。

(材料:1人分)
食パン:6枚切×1枚
メイバランス:お好きな味1本
バター:5g


(作り方)
①食パンは食べやすい大きさに切り、容器に移したメイバランスに良くしみ込むまでひたす。
②フライパンにバターを熱し、両面をこんがりと焼く。

②ビタミンたっぷりミニゼリー


サンキスト ベジたいむ+Ca レッドミックス 125ml×18本 -栄養補助食品の通販 (b-style-msc.com)
飲み込みにくい方にはゼラチンで固めて食べやすいようにしてみましょう。

(材料:1人分)
ベジたいむ:1本
ゼラチン:4g
水:小さじ1
砂糖:お好みで少々


(作り方)
①ゼラチンは水でふやかしておく。
②ジュースをレンジで沸騰しない程度にあたため、①を入れる。
③型にうつして冷やし固めたら完成。

まとめ

今回は栄養補助食品を利用しながら効率よく栄養強化を行う方法をお伝えしました。
なかなか食事だけで必要な栄養を摂取していこうとすると難しいですし、無理をすると誤嚥性肺炎になってしまうなど危険を伴うのでやめましょう。
栄養補助食品は少量で栄養がたっぷりなものが多く、上手に日常の中で利用していけたらよいですね。

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