介護食のソフト食とは?手作りからお手軽通販まで!

介護食のソフト食とは?手作りからお手軽通販まで!
介護食のソフト食とは?手作りからお手軽通販まで!

食べる際に必要な「かむ」や「飲み込む」などの機能が低下してしまった方には、介護食が必要になります。
そんな介護食には種類があり、その1つとして「ソフト食」と呼ばれる食事形態があります。
形態・種類があるということは、それぞれ異なる特徴があり、適正やメリットも異なるということです。
今日は、介護食のソフト食の特徴や、作り方や購入方法などについて解説しますので、介護食についての知識を深めたい方はぜひ最後まで読んでくださいね。

 

 

介護食とは?

介護食とは、食べるための能力が低下してしまった方でも簡単に食べられるように工夫された食事のことです。
人間は、ものを食べるにあたって「かむ」「口の中でまとめる」「飲み込む」という動作を基本として、食べたものを食道・消化器官へと送り込んでいます。
こうした能力は高齢化や身体障がいなどの問題によって低下することがあり、例えば「かむ力が低下してしまった方」の場合だと堅い食べ物を咀嚼することが難しくなってしまうのです。

運動機能の例として「足腰が弱くなった⇒外を出歩くのが億劫になってしまった⇒さらに足腰が悪くなる(運動能力が低下してしまう)」という悪循環があるように、健康のために欠かせない栄養摂取の方法である食事についても同じことがいえます。

食べるための能力が低下してしまうと、通常の食事では食べにくさやストレスを感じてしまうでしょう。そうなると、食事すること自体を億劫に感じてしまうようになり、食欲が低下して食事量が減少、必然的に摂取できる栄養量も低下してしまいます。
低栄養状態になると、身体にさまざまな悪影響を及ぼすことになるのです。
また、食欲減退により咀嚼や嚥下などの機会が減ってしまうと、これらの能力がさらに低下してしまい余計に食欲が減退、という悪循環を生み出してしまいます。
こうした問題を解消するために、その人の食べる能力に合わせたステータスを持った食事、介護食の存在が重要になるのです。

介護食は「かむ力が弱くても咀嚼できる」「そもそもかむ必要がない」「飲み込みやすくなっている」といった特徴を有しており、食べやすさが向上することで食欲減退を回避し、きちんと食事をとってもらうことで十分な栄養を摂取できるようにしています。
また、高齢により食欲が低下している方向けに、少ない食事量でも十分な栄養を摂取できるように栄養を添加していたり、内臓機能の問題により塩分などを控えた食事にするといった工夫も、介護食には必要です。
介護食の基本は「食べる人の状態に合わせる」ことが重要であり、それゆえに「提供する介護食の食事形態」を適切に選ぶことは重要なポイントになります。

ソフト食とは?

介護食には、食べる人の状態に合わせた「食事形態」があります。
その1つに「ソフト食」と呼ばれるものがあり、簡単に言うと特別に柔らかく仕上げた介護食です。
たとえば、ニンジンは生のままだと硬いのでしっかりとかむ力がなければ食べられませんが、煮込むと柔らかくなり、煮込む時間を長くすればするほどさらに柔らかくなって原型がなくなっていきますよね。
年齢や身体障がいなどの理由でかむ力が低下してしまうと、硬いものが食べにくくなってしまいすが、咀嚼しなければ飲み込むことができませんし、仮に飲み込めても消化不良になりやすいです。
かむ力が低下してしまった方向けに料理されるのが、ソフト食またはやわらか食と呼ばれる介護食になります。

軟らかさには区分がある!

詳しくは「介護食には区分がある?適切な食事形態を選ぼう!」の記事で解説していますので、ここでは簡単に説明しますが、「ユニバーサルデザインフード」では介護食を柔らかさなどの条件で4つに区分しています。

・容易にかめる:硬いものや大きいものが、やや食べづらい方向け
・歯ぐきでつぶせる:硬いものや大きいものが食べづらい方向け
・舌でつぶせる:細かくて柔らかければ問題なく食べられる方向け
・かまなくてよい:固形物だと小さくても食べづらい方向け

ユニバーサルデザインフードについてはこちらの記事をご参考ください。
介護食には区分がある?適切な食事形態を選ぼう!

食べやすい安全な食事形態を選ぼう!

前述のとおり、介護食には柔らかさなどの条件で区分できますが、重要なことは「食べやすさの条件を満たしている」ことだけでなく「可能な限り楽しめる」ことも重要です。
嚥下機能やかむ力の低下が進むほど、介護食は液体に近い形になっていきます。味はよくても食感を楽しめない、どろどろした液体状の見た目で美味しそうと思えないなど、食事の楽しさが薄れてしまいます。
食事の楽しさは食欲や食事量にも影響し、低栄養を避けるためにはしっかりと食べてもらえるように食事の楽しさも意識しなければなりません。

また、かむ力がそこまで低下していないのに、かまなくてよい食事ばかり食べていると、かむ力がどんどん衰えていきます。かむ力に合わせて介護食の区分を選ぶようにしましょう。

手作りソフト食レシピ!

ここからは、ソフト食のレシピを「食事(主菜・副菜)」と「デザート」に分けて紹介します。

食事「主菜:白身魚の野菜あんかけ」

魚好きには嬉しい、白身魚を使ったあんかけレシピです。
骨取りに手間がかかりますので、できれば一尾からさばくのではなく、骨取りしてある市販の切り身を使うとより簡単に調理できますよ。

(材料:1人分)
・白身魚:1切
・好きな野菜(ニンジンやキノコ類など):使用する数に合わせて適量ずつ
・だし汁:100ml
・醤油 少々
・とろみ剤または水溶き片栗粉:食べる人に合わせて適量


(作り方)
①野菜・キノコ類を千切りまたはみじん切りにする
②フライパンで野菜類を軽く炒め、その上に白身魚を置く
③だし汁を加えて蓋をし、蒸し焼きにする
④白身魚を取り出して皿に盛り付ける(必要に応じて皮と骨を取り除く)
⑤フライパンに残った野菜・スープに醤油ととろみ剤(水溶き片栗粉)を加えてひと煮立ちさせる
⑥あんを魚にかけて完成

食事「副菜:なめらかカボチャサラダ」

カボチャは時間をかければ介護食におすすめの柔らかさと栄養を持ち合わせる食材です。
使用する具材を変えれば簡単にアレンジできるのもおすすめポイントになります。

(材料:1~2人分)
・カボチャ:150g
・酢:10g
・きゅうり:50g
・玉ねぎ:40g
・塩:少々
・マヨネーズ:お好みで適量
・コショウ:少々


(作り方)
①カボチャをゆでて柔らかくする
②きゅうりと玉ねぎをみじん切りにして塩をふっておく
③熱に注意しながらゆでカボチャ・塩(0.5gほど)・お酢をポリ袋に入れてつぶし混ぜる
④塩をふったきゅうり・玉ねぎをもんでから水洗いし、水分を絞る
⑤混ぜたカボチャ・水気をきった野菜・マヨネーズとコショウを混ぜて味を調えれば完成

デザート「プリン」

基本的に柔らかい食べ物が多いデザートは、介護食においても重宝します。
市販品もよいですが、手作りすることで栄養補助剤を使用しやすい(混ぜやすい)などのメリットもあります。
1つ目は「プリン」、使用する材料を変えれば味を変えたレパートリーも増やしやすいのでおすすめです。

(材料:2人分)
・卵黄:1個
・牛乳:220ml
・砂糖:16g


(作り方)
①すべての材料を混ぜ合わせる
②数回濾してから器に1人分ずつ入れる
③鍋に器の高さの半分くらいまで水を入れて沸騰させ、器にアルミホイルをかぶせてから熱に注意しつつ鍋に入れ、鍋にふたをしてから6~8分ほど蒸す
④火を止めて、鍋にふたをしたまま5分ほど置いておく
⑤鍋からプリンの器を取り出し、粗熱をとる
⑥冷蔵庫で冷やしたら完成

デザート「ゼリー」

ゼリーも同じく柔らかいので、介護食のデザートとしておすすめです。
使用する材料を変えれば味や栄養価も変えられるので、食べる人の好みや栄養状態に合わせて作れます。

(材料:3~4人分)
・ニンジン:100g
・りんごジュース:200cc
・ゼラチン:5g
・水:大さじ2


(作り方)
①ニンジンの皮をむいて薄く切り、柔らかくなるまでゆでる
②ゼラチンを水でふやかしておく
③茹で上がったニンジンをザルにあけて湯を切り、荒熱がとれたらりんごジュースと一緒にミキサーで撹拌する
④ふやかしたゼラチンをレンジで20秒ほど温めて溶かす
⑤撹拌した③にゼラチンを混ぜる
⑥カップに⑤を流し入れ、冷蔵庫で冷やして固まったら完成

市販品を使用したソフト食レシピ

介護食を一から作るのは手間がかかりますので、忙しくて時間がないという方には「市販品を活用する」という方法がおすすめです。

食事「市販の卵豆腐のお吸い物」

卵豆腐はそのままでも美味しく食べられますが、「お吸い物の具」として活用することもできます。
作り方も簡単で、食べやすい大きさに切った卵豆腐を具として、野菜などお好みの具を入れたお吸い物を作るだけです。
卵豆腐はそのままでも介護食レベルの柔らかさなので、安心して調理できます。

食事「市販の茶わん蒸しのあんかけ」

卵豆腐と同じように、茶わん蒸しも柔らかいのでそのまま介護食の材料にできます。
「あんかけ」はアレンジしやすい調理法であり、食べやすくカットした野菜と一緒にあんを作って、器に盛って温めた市販の茶わん蒸しにかけるだけで完成です。
注意点として、一般的なスーパーで買える茶わん蒸しには、かみにくい硬さの具(しいたけ・エビなど)が入っているため、ネットショップなどで「具なしの茶わん蒸し」を購入することをおすすめします。

栄養支援茶碗蒸し かつお風味 75g

デザート「市販のプリンでプリンアラモード」

同じような食感はデザートにもあり、市販のカッププリンを使ってアレンジすることができます。
同じく市販の生クリームを絞るだけで簡単な「プリンアラモード」にできますし、季節の果物(バナナなど柔らかいもの)を添えることで見栄えもよくなります。

やわらかプリン カスタード味 63g 舌でつぶせる

デザート「市販の羊羹でおしるこorぜんざい」

和菓子の定番「羊羹」自体もそのままで食べやすいデザートなのですが、寒い季節であれば、おしるこやぜんざいにするのもおすすめです。
市販の「おしるこの素」を使うのもラクですが、買い置きしている羊羹と水を一緒に電子レンジで2分ほど温めると、おしるこ(小豆が残っている小倉羊羹だとぜんざい風になる)ができます。
さらに、必要に応じてとろみをつけてあげると食べやすくなりますよ。
ちなみに、寒天入りの羊羹を使用した場合、残ったおしるこを冷蔵庫で冷やすと「水羊羹」のようになるので、こちらも試してみてください。

マービー水ようかん 57g

まとめ

今回は、介護食の食事形態の1つ「ソフト食」について解説しました。
ソフト食は、介護食の食事形態の1つです。食事形態については介護食を食べる方にあわせて最適なものを選びましょう。
忙しくて調理の時間が確保できない、レパートリーが偏ってしまうという方は市販品の活用もおすすめです。介護食の通販専門店ビースタイルでは、食べる方の状態に合わせてさまざまな食品をラインナップしています。
介護食作りに便利なとろみ剤や、栄養補助食品も販売していますので、毎日のお食事にお役立てください。

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