介護食におけるデザートの重要性は高く、デザートを日々の食事やおやつに取り入れることにはたくさんのメリットがあります。
本記事では介護食におけるデザートの重要性や、介護食にデザートを取り入れる際の注意点を解説します。また、簡単に作れる介護食用デザートのレシピや、市販されているおすすめの介護食用デザートもあわせてご紹介しています。ぜひ、最後までお読みください。
介護食におけるデザートの重要性
介護食においてデザートは特別な意味を持っています。制限のある介護食においてデザートが与える影響は大きいです。ここでは、デザートの3つの重要性を解説します。
足りない栄養を補う
水分補給の役割がある
楽しみを提供する
介護食におけるデザートの重要性を理解し、日々の献立やデザート選びに活かしてみましょう。
足りない栄養を補う
メインの食事で足りていない栄養をデザートで補うことができます。要介護者の方は、食欲不振や嚥下・咀嚼などの口腔機能低下により、食事を摂取する量が減ってしまうケースがあります。日々の食事量が減少すると、低栄養状態を引き起こしてしまう危険が高くなります。
低栄養状態とは、食事量の低下により「生活に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素が足りていない」状態です。低栄養状態が続くと、筋力の低下や免疫力の低下に繋がり、病気にかかる可能性が高くなります。
デザートは、食欲がない方や口腔機能が低下している方でも比較的食べやすいので、あまり食欲が湧かない場合でも食べてもらえるケースが多いです。栄養摂取の面でも、介護食においてのデザートは大きな役割を果たしています。
水分補給の役割がある
介護食においてデザートは水分補給の役割も持っています。特に水分が不足がちになるのは高齢者の方です。腎機能の低下による頻尿や加齢による体の水分を保持する機能の低下、薬の副作用など、水分が足りなくなる要因はさまざまです。
気がつかない内に水分不足に陥っていたことがないように、食事やおやつの際でも水分が補給できるようにしておきましょう。
楽しみを提供する
デザートが好きな方は、食事にデザートがあるだけで、食べることへの楽しみが増えます。また、「おやつ」の時間は家族や他の方とのコミュニーケーションの機会にもなっています。会話や触れ合いがあれば、日々の生活にもメリハリが出て、そのコミュニケーションを楽しみにする方も多いです。
デザートは栄養面だけでなく、心のケアにも繋がる可能性があることを覚えておきましょう。
介護食におけるデザートの注意点
介護食におけるデザートの3つの注意点を解説します。注意点を理解しておかないと、せっかくのデザートも逆効果になってしまう可能性があるため、しっかりとチェックしておきましょう。
嚥下機能の状態を考慮する
介護食を食べている方は、咀嚼能力や嚥下能力の低下により、個人個人の状態に合わせた食事を食べています。そのため、デザートも同様の配慮をしておかないと、食べられなかったり、喉につまらせてしまったりする恐れがあります。
食事の楽しみの一つでもあるデザートで、食べにくさを感じさせないようにしましょう。
食べる時間を考える
食事と一緒に提供されているデザートは関係ありませんが「おやつ」の時間には注意が必要です。夕食前のおやつの時間が遅い場合、お腹が空かず夕食が食べられなくなる可能性があります。デザートでも栄養補給が補えるとはいっても、メインの食事を食べられなくなってしまっては本末転倒です。
おやつの時間は遅くとも15時ごろまでには提供できるようにし、その後の食事に支障がないように気をつけましょう。
食べ過ぎに注意する
デザートの食べ過ぎは、栄養の過剰摂取に繋がるため注意が必要です。特に高血圧・糖尿病・肥満などの疾患がある場合は危険です。摂取できる糖分や塩分に制限があるケースが多いので、状態に合わせて十分に配慮してください。
一般的に1日のおやつの摂取量は200kcalなので、1食当たりのデザートは100kcalを超えないようにする工夫が必要です。
介護食のデザートは意外に簡単に作れる
介護食においてのデザートは手間がかかり大変だと感じている方が多いです。しかし、介護食だからといって複雑な工程はほとんどありません。実は意外と簡単にデザートが作れることをご紹介します。
作り方は普通のデザートとそこまで変わらない
介護食を作るイメージは細かく刻んだり、潰したりと手間がかかる印象を持っている方が多いですが、デザートに関しては普通のものと比べても大きく変わりません。デザートは基本的に材料をミキサーにかけたり、細く刻んだりすることが多いため、介護食だからといって手間が増えるケースは少ないのです。
調理に必要な道具
介護食のデザートを作る上で、用意しておいた方が便利なものはミキサーです。デザート以外の食事にも使えるケースは多いので、準備しておきましょう。比較的安価なタイプもあるので、使いやすいものを選んでください。ミキサー以外でも、フードプロセッサーやハンドブレンダーなども活用できます。
また、介護食用のゲル化剤(固形化調整食品)も常備しておくと、デザート作りだけでなく、普段の調理にも活用できるのでおすすめです。
介護食のデザートおすすめレシピ
10分で簡単に作れるいちごのムースをご紹介します。
いちご(冷凍可):90g
レモン汁:小さじ1
介護食用ゲル化剤(固形化調整食品):1g
生クリーム:60g
砂糖:30g
飾り用ホイップクリーム:適宜
<作り方>
いちごのヘタを取り粗めに刻んでおく。生クリームを七分だてにしておく。
いちごとレモン汁、砂糖をなめらかになるまでミキサーで混ぜる。トッピング用に30gは別で保管する。
2で作った残りのピュレと介護食用のゲル化剤(固形化調整食品)を混ぜ、二十秒ほどミキサーにかける。
1分以上膨潤タイムをとり、20秒間ミキサーで混ぜる。※膨潤タイム:ゲル化剤(固形化調整食品)が水分を吸収して膨らみ、状態を安定させる時間。
介護食用のゲル化剤(固形化調整食品)で固まってきたピュレに泡立てておいた生クリームをむらなく混ぜ込む。
キレイなピンク色まで混ざったら器に入れ、トッピング用のピュレを上からかける。
冷蔵庫で冷やしたら完成。
※介護食用ゲル化剤(固形化調整食品)は常温でも固まりますが、冷やした方がおいしく食べられます。
手作りする時間がない場合は市販のデザートを活用する
介護食のデザートが意外にも簡単に作れるのは事実ですが、中にはデザート作りに時間をかけられない方もいるでしょう。そんな方に向けて、通販で購入できるおすすめの介護食用デザートをご紹介します。
やさしくラクケア やわらかプリン カスタード味
濃厚さを残しながらも、ほどよく甘みを感じられるカスタード味のプリンです。たんぱく質6gとエネルギー100kcalを摂取できます。
マービー水ようかん 57g
マービーは、糖尿病患者さんの食事療法をサポートする目的で誕生しました。以来、長きにわたり、安全性と信頼性に裏付けられた<安心の甘さ>で、多くの医療現場で使われ続けています。
国産小豆を使用し、小豆のうまみを活かすため丁寧にふっくらと炊き上げました。
砂糖のかわりにデンプンからつくられた還元麦芽糖水飴を使うことで、砂糖使用品に比べてカロリーを約25%カット。冷やすといっそう美味しくお召し上がりいただけます。
ぬくもりミキサーフルーツ りんご
すりおろした状態のりんごを必要な分だけ食べられます。そのままでもおいしいですが、凍らせてシャーベットにしたり、寒天やゼラチン等で固めてゼリーにしたり、ヨーグルトに混ぜて食べるのもおすすめです。
まとめ:介護食においてデザートは重要な存在
栄養補給だけでなく日々の生活を楽しむ上でも、介護食においてのデザートは大切な存在です。毎日の食事やおやつの時間を少しでも楽しんでもらうために、取り入れていきましょう。手作りでも意外と簡単に作れるので、今回ご紹介した”いちごのムース”のレシピも参考にしてみてください。
また、自分で作りたいとは思っているけど、なかなか時間がないといった方には、市販されている介護食用のデザートを取り入れる価値は高いです。時短をしながらもおいしく食べられるデザートがたくさんあります。
介護食の通販専門店”ビースタイル”では介護食のデザートを多数取り扱いしております。病院にも導入実績がありますので、安心して日常の食事に取り入れていただけます。ぜひお試しください。