みなさんは普段、介護食というものに触れる機会はありますでしょうか。
きっと、多くの方が「ない」と答えられると思います。
いざ自分や家族が、介護食を利用しなけらばならなくなったときに詳しく調べられる方も多いのではないでしょうか。今回は介護食がどういったものか、レシピも含めてご紹介します。
皆さんが抱く介護食のイメージ
「介護食」というと皆さんはどんなイメージを持ちますか?
多くの方は介護食と聞いて以下のような想像をすると思います。
①手間がかかる
介護食というと手間がかかるイメージがありませんか?
ミキサーにかけたり、つぶしたり、小さく切ったり…
道具を使って手間がかかるという意見が圧倒的に多いです。
②コストがかかる
介護食を作るとなると、1人分のために別に調理しなければならなかったり、宅配弁当を頼んだりとコストがかかるイメージを持たれている方も多いです。
③美味しくない
介護食は食べられるものが限られていて、食材も柔らかくしてあったり、ペースト状にしているものが多くなります。また、味付けも健康を考えて調整されているため、美味しくないものと思っている方もいらっしゃいます。
④見た目が悪い
介護食は通常の食事と比べて柔らかい傾向にあります。
なので、1つのお料理を全部ミキサーにかけていて、どろどろした見た目のお料理というイメージを持っている方も多いです。見た目が悪く、食欲もわかない食べ物と感じている方もいるでしょう。
介護食でも見ためから美味しく味わうことが出来る!
介護食でもあまり手間をかけずに、見た目も美味しそうに仕上げる工夫がたくさんあります。最低限の道具は必要にはなりますが、1回覚えればずっと使えるテクニックばかりですよ!
1から作るのではなく、作っている途中で取り分ける介護食!
いざ介護食を作ろうとする時、食べる方のために1人分調理しようとしていませんか?
家族の食事も準備する中、別の食事を準備するのは、時間も献立を考える労力も倍かかってしまい、かなり負担になってしまいます。
家族の料理をつくる工程でなにかを足し算したり、引き算したりすることで介護食も同時に作ることができたらとても便利ではないでしょうか。
それでは、負担を少なくしつつ、手作りの介護食を作る方法をご紹介します。
必要な道具
介護食を作るには最低限の道具は必要になってきます。
一度購入すればずっと使えるものや、消耗品であっても毎回使用するものでもないですしそんなに高価でもないので負担は少ないのではないかと思われます。
①ミキサー
ミキサーは固形物を攪拌してペースト状にする機械であり、介護食を作るうえで必需品となってきます。
家電量販店などで5,000円程から購入でき、一度購入すれば長い間使用できるのでおすすめです。
ミキサーは洗い物が面倒!という方にはハンドブレンダーがおすすめです。鍋の中でも具材が飛び散ることなくそのままミキサーにかけることが出来ます。
②ゲル化剤(固形化調整食品)
ゲル化剤(固形化調整食品)は、噛みにくい、飲み込みにくいという方の食事をサポートするために、食材や液体に粘度を加えたり、ゼリー化する目的で使用します。ゲル化剤(固形化調整食品)の量を調整することで、食感を変えることができ、飲み込みやすくなります。ペースト状にした食材を固めてムースにしたり、スープにとろみをつけたりするときに役立ちます。
ゲル化剤(固形化調整食品)の商品一覧はこちら
③成形が必要な場合は型
こちらは必要に応じてなので必須ではありませんが、食事を見ためから楽しみたいという場合にはおすすめのグッズです。
例えば、介護食でお魚のムースを作る時にミキサーにかけてゲル化剤(固形化調整食品)で固めます。
そのとき何に入れて、どのような形に固めますか? おうちにある器、ゼリーカップなどいろいろあるでしょう。
正直、何に入れても味や栄養は変わりませんが、お魚のムースがお魚の形で提供されたら見た目から食事を楽しめそうですよね。
人の食欲の一番最初の段階は「視覚」と言われていますので、見た目にこだわることはとても大切です。
ミキサー食レシピ
では実際にどのようにしておうちでミキサー食を作れば良いのでしょうか。
ここからはレシピをご紹介していきます。
今回はどれも家族のおうちごはんを作りながら、介護食も作れるレシピとなっていますので是非チャレンジしてみてください。
①かぼちゃ煮
和食の代表であるかぼちゃの煮物。どの年代の方も馴染みあるお料理の一つですよね。
かぼちゃは加熱することでつぶしやすく、なめらかになりやすいので介護食に向いています。
かぼちゃの煮物(皮は取り除く):50g
だし汁:40cc
ゲル化剤(固形化調整食品):表記に応じて使用ゲル化剤(固形化調整食品)の商品一覧はこちら
(作り方)
①ミキサーに南瓜、だし汁、ゲル化剤(固形化調整食品)を入れて撹拌する
②①を鍋に入れて弱火にかけ、焦げないように注意して混ぜながらひと煮立ちさせる
③バットに移して冷蔵庫で冷やし固める
④切りやすい固さになったら食べやすい大きさに切って器に盛り付けたら完成
②カレー
カレーは誰もが大好きな国民食!
適度にとろみもあって介護食としても十分お楽しみいただけますよ。
家族のご飯がカレーの時には食べられる食材を取り分けると、わざわざ作る必要も無いですし、皆と同じものを食べられる楽しみもありますね!
人参:40g
たまねぎ:30g
じゃがいも:40g
肉:食べられれば適量(市販品のお肉ムースを後で入れても良いです)
カレールー:市販品通りに調理されたもの(家族用のカレーの鍋からルーをすこしもらいます)
①介護食用に使用する食材を取り分けて小さく切る
(人参、じゃがいもは2センチ角に、玉ねぎは繊維を絶つ様小さく切ります。お肉は固くて食べづらい場合は入れなくて大丈夫です)
②①の野菜を柔らかくなるまでコンソメで煮る
※ミキサー食にする場合は煮た後にコンソメでのばしながらミキサーをかける
③家族用のカレーから具なしルーをお玉1杯よけておく
④②の煮野菜の上からルーをかけて完成
※ミキサー食の場合は見た目を良くするためにルーの上から野菜ペーストを盛付しましょう。
③鮭ムース
柔らかい鮭のムースは口当たりも良くのど越しも滑らかです!
おかゆにも良く合うので食が進む一品です。
鮭:1切
塩:適量
だし:50cc
ゲル化剤(固形化調整食品):表記に応じて使用ゲル化剤(固形化調整食品)の商品一覧はこちら
(作り方)
①鮭に塩をして焼き、骨を皮を取る
②身とだしとゲル化剤(固形化調整食品)をミキサーで撹拌する
③だまにならないよう良く混ぜる
④①の時に取った皮に沿って、鮭の形になるよう盛り付けたら完成
介護食レシピ
①白身魚と豆腐のすりながし汁
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質が同時に摂れる栄養価の高いメニューです。
魚の身をすり、ながし汁にすると臭みが出ることが多いのですが、
豆腐と併せることでくさみ消しになり、味もまろやかになります。
白身魚:40g
豆腐:40g
だし汁:60cc
赤味噌:小さじ1
白みそ:小さじ1/2
片栗粉:小さじ1/2
水:小さじ1/2
(作り方)
①魚は骨と皮を取り除き、豆腐と併せてフードプロセッサーで攪拌する
②鍋にだしを温めて調味料を入れてから、水溶き片栗粉でとろみをつける
③①を鍋に流し入れて火が通ったら完成
②ほうれん草の寄せもの
噛みにくさがある繊維質の強い野菜は食べにくく、誤嚥してしまう可能性が高いので、繊維を断つように細かく切ることがポイントになります。
ほうれん草:40g
粉寒天:0.5g
だし汁:50cc
薄口醤油:1g
塩:0.2g
みりん:2g
〇だし割醤油
だし:5g
醤油:2g
(作り方)
①ほうれん草は繊維を断つよう細かく切る
②①をミキサーにいれて回る程度のだしで伸ばしながら攪拌する
③②で残っただし汁で粉寒天を煮溶かし、沸騰する
(※粉寒天は2-3分加熱しないと固まらない)
④③に②のほうれん草、薄口しょうゆ、みりんを加えて味を整える
④をバットに移して粗熱をとり、冷蔵庫で冷やし固める
⑤食べやすい大きさに切って器に盛り付けたら完成
③ババロア
栄養価も優れており、消化吸収が良く、口当たりもよいので介護食にぴったりです。
生クリーム:10cc
牛乳:70cc
卵黄:10g
砂糖:10g
ゼラチン:2g
バニラエッセンス:少々
(作り方)
①卵は卵黄と卵白にわけておく
②ゼラチンを3-5倍の水をふりかけてふやかしておく
③半量の牛乳を煮たてて火を止めておく
④③にふやかしたゼラチンをいれてよく混ぜ、完全に溶かす
⑤卵黄に砂糖を加えて良く混ぜ、そこに温めた牛乳を少しずつ加えたあと、のこりの冷たい牛乳も少しずつ加える。
⑥バニラエッセンスを加える
⑦生クリームを混ぜてすこし泡立て、⑤に加える
⑧器に移して冷やし固めたら完成
まとめ
介護食のレシピをご紹介しましたが、これを朝、昼、晩と365日作り続けるのはなかなか難しいことですよね。そんな時にはぜひ、市販品も活用してみるととても便利ですよ。
ゼリー、ムース、ジュースタイプなど様々な食事形態に対応しており、味も甘いものから食事に活用できるものまであります。介護食の通販専門店ビースタイルでも、様々なタイプの介護食やデザートをご用意しています。毎日の食事管理に是非ご利用ください。