麺類は、日本人の主食として毎日のように食卓に上る人気の食材です。腎臓病の食事療法を行う際に、どれなら食べても大丈夫なのか気になりますよね。
今回の記事では、春雨、うどん、そうめん、そば、中華麺、パスタという、普段食べている麺類6種類のたんぱく質の量について解説します。
最もたんぱく質が多いのはどれか、それぞれの麺を食べるときに気をつけることはなにかなどを併せて紹介します。
また、塩分、カリウム、リンについても同時にお伝えしているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
たんぱく質はどの麺類に多い?
麺類は種類が多いため、どの麺類にどれくらいのたんぱく質が含まれているか覚えるのは大変です。
そこで、たんぱく質の少ない麺を簡単に見分けるポイントを紹介します。それは、「色が白い麺=たんぱく質が少ない」ことです。
例えば、今回解説する6種類の場合、1食200gあたりのたんぱく質は下記のようになります。
【少】春雨<うどん<そうめん<そば<中華麺<パスタ【多】
うどんとそうめんは比較的少ないので、もしも迷ったらこの2種類をおすすめします。逆に、パスタは断トツで高いたんぱく質を含んでいるので、要注意です。
ですが、どの麺類にも、たんぱく質を抑えて食べるコツやおすすめのメニューがあります。次の段落から、1種類ずつ詳しく紹介していきます。
参考:食品成分データベース(文部科学省)
低たんぱくで美味しい麺を食べるには
麺類は私たちの食生活に定着しているため、腎臓病の食事療法がスタートしても完全にやめるのは難しいものです。そこで、同じ麺類の中でも「低たんぱく(たんぱく質調整)」の商品を使うことをおすすめします。
今回紹介する麺類は、春雨以外すべて低たんぱく(たんぱく質調整)の商品があります。たんぱく質以外に、塩分、カリウム、リンなども抑えられているので、腎臓病の食事療法をしている方でも安心して食べられます。
麺を低たんぱくで食べるコツ【1】春雨
春雨はたんぱく質と食塩を含まず、カリウムやリンも少ないため、腎臓病の食事療法を行う方の強い味方です。
ですが、うどんやそばのように主食としてたくさん食べるのは難しいので、サラダやスープなどのおかずにおすすめです。一緒に入れる野菜は、細く切ってから茹でると、よりカリウムを減らせます。
麺を低たんぱくで食べるコツ【2】うどん
うどんに含まれるたんぱく質の量は、1食200gあたり約5.2gです。麺類の中では春雨に次いで低いので、安心して食べられるでしょう。
塩分、カリウム、リンも低いので、主食として麺類を選ぶときはうどんが最もおすすめです。
うどんは汁やたれに塩分が多く含まれているため、減塩も意識するのであれば、つけ麺かつけだれにしましょう。
たっぷりの薬味やのり、揚げ玉やすだちなどを添えると、食感と香りが加わるので、濃い塩分がなくても満足できます。みそをベースにしたごまだれや、マヨネーズやツナを使ったサラダうどんもおすすめです。
麺を低たんぱくで食べるコツ【3】そうめん
そうめんのたんぱく質は、1食200gあたり約7.0gです。塩分、カリウム、リンも低いため、腎臓病の食事療法にぴったりです。
そうめんはたんぱく質が少ない分、具材やおかずに肉や卵を使えます。そうめんだけではエネルギーが少ないので、油を使ったものと一緒に食べるようにしましょう。
おすすめのおかずは、野菜や魚の天ぷらです。肉を使う場合は、たんぱく質の少ない鶏もも肉がよいでしょう。なすを肉みそであえたそうめんも、ピリ辛で食が進み、食べごたえもあっておすすめです。
麺を低たんぱくで食べるコツ【4】蕎麦
蕎麦のたんぱく質は、1食200gあたり約9.6gです。さらに塩分が0gなので、一見腎臓病食に適しているように思えます。
ですが、蕎麦は1食あたりのカリウムが68mg、リンは160mgと高いため、食べる量には注意が必要です。
また、ゆで汁には塩分とカリウムが多く含まれているので、蕎麦湯にして飲み干すのはやめましょう。外食で食べる場合は、エネルギーアップできるきつねそばや、とろろそばがおすすめです。
麺を低たんぱくで食べるコツ【5】中華麺
中華麺のたんぱく質は、1食200gあたり約9.8gです。中華麺は塩分が非常に多いため、腎臓病の食事療法を行っている方はできるだけ控えたほうがよいでしょう。
ですが、ラーメンは「たまには食べたい!」という方が多い人気メニューでもあります。そこで、少しでも塩分を減らして食べるコツを紹介します。
ラーメンの塩分は、大半が汁に含まれています。そのため、ラーメンを食べるときは必ず汁を残しましょう。また、インスタントラーメンにはリンが大量に含まれるので、控えるようにして下さい。
たんぱく質や塩分が比較的少ない中華麺のメニューは、汁気のない焼きそばや冷やし中華です。野菜もたくさん摂れるのでおすすめです。
麺を低たんぱくで食べるコツ【6】パスタ
パスタのたんぱく質は1食200gあたり約15.6gと、かなり高めです。主食でこれだけ摂ってしまうと肉や魚などのたんぱく質を控えなければいけなくなるため、パスタは低たんぱくの麺を使うことをおすすめします。
パスタは、フェットチーネやマカロニなどにも低たんぱく商品があるため、ほかの麺類に比べて比較的楽に切り替えられるでしょう。塩分、カリウム、リンも抑えられているので、安心して利用できます。
パスタの注意点は、ソースで塩分やカリウムなどを摂りすぎないようにすることです。カルボナーラなどのホワイトクリーム系は、牛乳、肉、卵などを使い、たんぱく質を多く含んでいるため、量には注意して下さい。
トマトベースでふんだんに野菜を使ったものか、ペペロンチーノのようにオイルべ―スのものがおすすめです。
低たんぱくな市販品の麺 おすすめ3選
低たんぱくに作られた市販品の中から、特に人気の高い商品を紹介します。
たんぱく調整 播州はりまのうどん 320g
「播州はりまのうどん」は、主な原材料がでんぷんのため、たんぱく質、塩分、カリウム、リンが抑えられており、安心して食べられます。
普通のうどんのようにコシやもちもち感があり、温めても冷たくしても美味しいと好評です。
【購入者様の声】
モチモチしていて、私は大変好みです。
普通のうどんを食べなくても、このうどんで満足しています。
だしわりつゆと減塩カレー粉を使ってカレーうどんにすると美味しいです。
でんぷん 生パスタ 100g×5食
「でんぷん生パスタ」は、100gあたりのたんぱく質が0.1gまで抑えられているため、腎臓病食ではあまり食べられないクリームソース系やミートソースなどのパスタにもおすすめです。
しっかりとした食感があり、普通のパスタと変わらない美味しさを味わえます。
【購入者様の声】
何時ものパスタはタンパク塩分気にしてソースも控えめに。でもこのパスタなら気にせずたっぷりのソースでいただいてます!主人のお気に入りは、チューブワサビパスタです!茹でた麺にチューブワサビと、オリーブオイルをあえるだけ!簡単しかも減塩低タンパクです。
げんたそば 300g
「げんたそば」は、ゆで麺100gあたりたんぱく質0.9g、カリウム9.2mg、リン16.0mgととても抑えられている、消費者庁許可特別用途食品です。
国内製造のでんぷん、そば粉、小麦粉が原材料ですが、独自製法によって普通のそばのようにコシのある食感が楽しめます。
【購入者様の声】
慢性腎炎と潰瘍性大腸炎という難病を患っています。どちらの病気も治らずクレアチニンの数値が少しずつ上がり、大腸は緩解と発症を繰り返す、という厄介な病気です。お互いの病気は薬と食事で腎炎には良いが大腸炎には悪い、またその逆もあるため食事はごく限られたものになります。時には肉や魚、味の濃いラーメンを食べたいと思っていた矢先 腎患者向けのげんたそばとしょうゆラーメンがあることを知りました。試しにと少し送って頂き食べて見たところ、それまでの減塩食に慣れていたこともありとてもおいしく、一食分の量も十分でそれまでの食事療法の中で大きな位置を占める事になりました。是非今後も続けていきたいと思います。ビースタイル様の対応も申し分ありません。
まとめ:低たんぱくの麺は塩分やカリウムにも気をつけて
たんぱく質は、麺類によって量が大きく異なります。
春雨やうどん、そうめんは、たんぱく質以外の塩分、カリウム、リンも低いため、腎臓病食としておすすめです。
蕎麦は、たんぱく質と塩分は低いものの、カリウムがとても高いため、食べる量に気をつけて下さい。蕎麦湯はカリウムやリンが多く含まれるので、飲み干すのはやめましょう。
パスタは非常にたんぱく質が多いので、低たんぱくの商品を使うことをおすすめします。たんぱく質を麺から減らしてソースにまわせば、ホワイトクリーム系や肉などを使った料理もできます。
今回紹介した麺類は、たんぱく質調整の市販品が販売されています。ぜひこれらをうまく取り入れて、手軽に低たんぱくの食事を実現しましょう。