介護食の宅配サービス・宅配弁当とは?
最近ではかなり身近となった宅配食。
スマホやネットなどからも外食メニューを宅配してくれるサービスはかなり増え、自宅にいながらも食事を楽しめる機会がかなり増えました。
1人暮らしにも、ファミリー層にも、必要なものを必要な時に届けてくれるサービスはとても忙しい毎日の中では便利なものです。
しかし、柔らかい介護食を必要とする方もいらっしゃいます。
テイクアウトやスーパーマーケットのお惣菜を購入しても人によっては噛みにくくて食べられない、パサついて飲み込めないなどの不都合が出る場合もありますよね。
実は、介護食にも同じように宅配食があるのをご存知でしょうか?
本日は介護食を必要とする方にも宅配食を楽しんで頂ける内容でご紹介します。
どんな人におすすめ?
なかなか食事を準備する環境が整っていなかったり、食事内容の調整が複雑であったりすると介護食を毎日準備するのはとても大変です。そんな時に介護食の宅配食があったら…
日々の苦労はかなり変わってくると思いませんか?
宅配食というと毎日決まった1種類の献立が自宅へ配達されるイメージが強いですが、介護食の宅配弁当はどんな人におすすめなのでしょうか。
①1人暮らしで食事の準備が難しい
どの年齢層にも言えることですが、1人暮らしの場合に1人分の食事を自炊するのは何かと面倒です。それが行動範囲も限られていて、身体に何かしら不調があるかもしれない高齢者だったらどうでしょうか。スーパーマーケットに買い物へ行き、食材を選び、荷物を運び、献立を考えて調理して最後は片付け…。
高齢で1人暮らしをされている方にとってはかなり負担な家事と言えるでしょう。
ただでさえ1人分となると材料の配分や献立を考えるのにも苦労しますし、要領よくしなければ食材が無駄になってしまうこともありますよね。
中には今まで料理をしてくれていた家族が亡くなってしまった場合もあるかもしれません。
そう考えると毎日の食事が、1食分ずつお弁当で宅配されるのはとても便利なのではないでしょうか。
しかもあらかじめ献立が決まっているので、ご飯(糖質)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)がバランスよく入った内容で届けてくれるのも嬉しいポイントです。どれか1つでも栄養素が不足してしまうと身体に不調をもたらしてしまいます。高齢者で栄養状態が1度低下してしまうと元に戻すのはなかなか難しいものです。
手間無くバランスの良い食事が摂れることから、1人暮らしの人に是非おすすめですが、もちろん1人暮らしの方だけでなく、夫婦で暮らしている場合でも利用されている方はたくさんいらっしゃいます。
②噛み合わせや飲み込みに不安がある
自宅で食事を摂っていきたいけれど…
・歯が少なくて硬いものが噛みにくい
・飲み込むときにむせてしまう
・食事形態によっては誤嚥する危険性がある
・かみ合わせや飲み込みに良い料理を自分で調理する自信が無い
といった不安がある方にも宅配食はおすすめですよ!
食事形態別に販売しているものもあり、ミキサー状、ゼリー状、ムース状などもあります。
病院に入院していたり、施設に入所していたりする場合には食べやすい食事形態の食事が提供されますが、自宅でこのような食事を1日3回続けていくのはなかなか難しい場合もあるかもしれません。
宅配食なら温めるだけで食べる方の食事形態に見合った食事を手軽に楽しむことができますよ。
③食事療法が必要な疾患があるけれど食事量が分からない
宅配食を利用する人の中には糖尿病や腎臓病など基礎疾患をお持ちの方もいると思います。
基礎疾患によって制限する栄養素は異なっており、自身で献立を立てるところから調理まで行うのはかなり難しいです。病院であれば管理栄養士に相談することが出来ても、自宅での食事はそういう訳にもいきません。
基礎疾患による食事療法 | |
---|---|
高血圧 | 塩分制限 |
糖尿病 | 適正なカロリーの食事、糖質制限 |
肝臓病 | 病期に応じてたんぱく質や塩分制限 |
腎臓病 | たんぱく質制限、塩分制限、カリウム制限、リン制限 |
透析療法中 | 水分制限、たんぱく質制限の緩和、塩分制限、カリウム制限、リン制限 |
消化器疾患 | 食物繊維制限、脂質制限 |
簡単に挙げただけでも、基礎疾患があればかなり複雑な制限があります。
まず、何の食材にどんな栄養素が入っているかの把握をしてから毎日の献立作成をするまでは管理栄養士のような専門家でなければ難しいでしょう。
食事は毎日のことなので出来るだけ負担は軽くしたいですよね。
基礎疾患の食事療法が必要な方にとって宅配弁当はかなり便利で健康的になれて良いことが沢山ありますね。
④週に何日かだけ利用したい
「毎日利用するのはお金もかかるし、飽きてしまいそう…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。出来ることなら安く済ませたいですし、自分で出来る時には食事を準備したり、外食を楽しんだりしたいですよね。
宅配弁当と言えば毎日お弁当を宅配されるイメージですが、冷凍のお弁当をまとめて取り寄せることも可能なんです!
例えば…
・月水金はデイサービスで昼食を食べるからそれ以外を自宅で利用したい
・今日は家族と食事に出掛けるからお弁当はいらないな
・今日は体調が優れないから自炊はやめてお弁当にしよう
・買い物は週に1回、週の後半になると食材が少なくなるからその時はお弁当にしよう
といった自由度の高い使い方が出来るのです。
介護食の宅配弁当にはどんな種類がある?
では、介護食の宅配弁当にはどんな種類があるのか見ていきましょう。
①毎日宅配
自炊はせずにほぼ自宅で過ごす方、安否確認が必要な方におすすめです。
毎日自宅へ訪問し、対面で受け取ることが多いので安否確認も兼ねて利用される方も多いです。緊急時にはケアマネージャーさんやご家族の緊急連絡先に電話してくれるサービスもあります。ただし、営業していない時の食事はどうするか検討が必要です。
(メリット)
・冷凍食品より出来立てが食べられる
・毎日必要な場合は一度契約すれば何度も購入する手間が無い
・毎日の訪問手渡しであり、安否確認が出来る
(デメリット)
・治療食や刻み食の場合は店舗によって対応が異なる
・土日祝日の配達は店舗によって異なる
・朝食の配達が無い店舗が多い
・献立はあらかじめ決まっていることが多い
・住所によって配達エリア外となってしまうことがある
②冷凍弁当
ある程度自炊や買い物ができて、たまにお弁当を利用したい方におすすめです。
冷凍の宅配弁当は保存がきいて、食数も自身で自由に注文できることから普段は主に自炊や中食で済ませていて利用したいときに自由に選択するような方が使用しやすいと思います。
もちろん、数日ごとの定期便もあるので毎日の利用でも大丈夫です。
ただ、まとめて沢山買いすぎるとその分、保存スペースも必要になりますので注意が必要です。
(メリット)
・食べたいメニューを選んで購入することができる
・保存がきくので毎日宅配食が必要ではない方に便利
・まとめて購入なので土日祝日や朝食にも利用可能
(デメリット)
・冷凍庫のスペースが必要
・自身で注文する手間がある(定期便がある場合もあり)
まとめ
今日は介護食の宅配食についてご紹介しました。
それぞれのライフスタイルや基礎疾患などがある中、介護食を準備し続けていくのは簡単なことではありません。
時にはこういったものを利用して、食事をいつまでも楽しんでいきましょう。