糖尿病には様々な療法がありますが、その中でも毎日の暮らしに関係しているのが「食事療法」です。
食事療法を始める際は、患者だけではなく、周りの人も介護食に対して正しい知識を持つことが大切です。
今回の記事では、「糖尿病と診断されたらどのような食事をすればよいのか」について解説します。
例えば、糖質制限が大切だと知っていても、具体的にどの食品を減らせばよいのか最初のうちはわかりにくいものです。また、糖質は思ってもみなかった食品にも含まれているので、健康のために食べていたものが逆効果だったということもあります。
糖尿病だと診断されたばかりの方やそのご家族は、本記事を参考にしながら、ぜひ普段食べている食事やおやつなどをチェックしてみて下さいね。
糖尿病にはどうして介護食が必要?
糖尿病は、膵臓で作られるインスリンが不足することで、慢性的な高血糖になってしまうことです。長時間この状態が続くと、腎臓や神経などに障害が出て、合併症が起きる危険性があります。
そこで、糖尿病の治療ではできるだけ血糖値を正常に近い状態に保ち、合併症を防ぎ、健康な日常生活を送ることを目指しています。
糖尿病の治療方法には、ほかにも運動療法や薬物療法などがありますが、食事療法はそれらすべての基本として、最初に始めます。
糖尿病の介護食 理想のメニューは?
糖尿病の食事療法の基本は、「栄養バランスのいい献立」です。主食、主菜、副菜を中心に、下記のようなバランスで摂るようにしましょう。
(1)主食:ごはん、パン、麺類などは量を控えめにする。
(2)主菜:肉や卵などのたんぱく質源は、できるだけ1日1種類ずつ摂る。量のめやすは、肉類が薄切り2枚、魚類1切れ、卵1個、豆腐1/4丁。カルシウムを多く含む牛乳は1日200gを目安に摂取する。
(3)副菜:野菜、きのこ、海藻は1食4種類以上を目指すと理想量を摂りやすい。
(4)果物:1日の適量は100~200gで、手のひらにのる程度。夕食後はNG。
(5)間食:できるだけ食べないようにする。難しいようであれば、今よりも量を減らす。
糖尿病には、アレルギーのように「食べてはいけない」ものはありませんが、「これが効く!」というものもありません。毎日栄養バランスに気をつけながら、野菜や海藻などもたっぷり摂ることが一番だと言えるでしょう。
糖尿病と診断されたら こんな食事習慣を見直そう
糖尿病と診断されたら、まずは「食事習慣」から見直していきましょう。
(1)間食やカップ麺、甘味料を控える。
(2)食事抜き・ドカ食いをやめる。
(3)おかずもきちんと摂る。
これらの食事習慣は肥満になりやすいため、糖尿病ではない人も見直すことをおすすめします。
肥満になると血糖値が上がりやすくなるので、糖尿病の食事療法ではこれらの食事習慣をやめることを心がけていきます。
糖尿病の介護食 どのような食品に気をつける?
糖尿病の食事療法で、最も気をつけたいものは「糖質」です。
糖質は意外な食品にもたくさん含まれているので、普段何気なく食べているものをチェックして、毎日の食事から減らしていきましょう。
糖尿病でもっとも気をつけたいのは「糖質」
「糖質」は、穀類やいも類、砂糖などに多く含まれる栄養素のことで、人間が活発に活動するためのエネルギー源です。
また、3大栄養素である炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質と呼ばれます。
糖質と聞くと甘いものだけをイメージする人が多いのですが、実はそれ以外にもたくさん含まれています。ここでは、特に気をつけてほしい食品について紹介します。
糖尿病食で気をつけたい食品(1)間食
糖尿病の食事療法では、最初に間食を減らすことを心がけましょう。糖質や過剰なエネルギーを最も効果的に減らせるためです。
甘いお菓子には大量の砂糖が使われているので、できれば食べないか、我慢できないようであれば砂糖不使用のものを選ぶようにして下さい。
洋菓子、菓子パンには特に多く含まれているので、注意が必要です。
ですが、あんこやようかんといった和菓子にも、糖質は非常にたくさん含まれています。豆と砂糖でできているため、糖質が高いのです。
ちなみに、塩味のお菓子にも糖質は含まれています。せんべいやおかきは原材料が米なので、大半が糖質でできています。
おすすめのおやつは、少量のナッツ類や、寒天ゼリーです。ナッツ類は塩分が多い種類もあるので、食べる際は注意して下さい。
糖尿病食で気をつけたい食品(2)ジュース、アルコール
糖尿病食で控えたい食品に、ジュースがあります。
甘い炭酸飲料、果物や野菜のジュース、砂糖入りのコーヒーや紅茶をやめ、緑茶やウーロン茶などにしましょう。コーヒーや紅茶は、砂糖なしであれば問題ありません。
かぼちゃ、にんじん、とうもろこしなどが原材料になっている野菜ジュースも糖質が多いので、気をつけて下さい。
アルコールは1日あたり20~25g程度であれば、糖尿病の発生を抑えると言われています。ですが、それを超えた飲酒量になると血糖値を上昇させる危険性があるため、量には注意しましょう。
糖尿病食で気をつけたい食品(3)果物
健康的なイメージのある果物ですが、糖質が多いので、1日分の摂取量は意外と少なめです。めやすは「口に入る量」で、これは100~200g、手のひらにのる程度です。
果物で表すと、バナナなら1本、夏みかんなら1個、リンゴなら2/3個、柿なら1個、すいかなら厚さ3cmの三角形を1切れです。
糖尿病食で気をつけたい食品(4)芋類などのでんぷん
じゃがいも、里芋、さつまいもなどの芋類やかぼちゃ、とうもろこしやくりなど、でんぷんの多い食品は糖質がとても多く含まれているので、摂取量には気をつけましょう。
例えば、さつまいもは様々な食べ物に加工されているのでつい食べすぎてしまいますが、1日の適量は小1/2本(70g)です。
糖尿病食で気をつけたい食品(5)主食のみでおかずなし
糖尿病の食事療法で一番大切なのは、バランスのよい食事をすることです。
炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルという栄養素を過不足なく摂ることが大切なので、うどんのみ、パンのみといった主食のみで済ませるのはやめましょう。
糖尿病のための介護食 市販品で手軽に糖分カット
糖尿病のための介護食には、砂糖やカロリーをカットし、安心して手に取れる市販品がたくさん揃っています。
プレゼントに適したものもあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
マービーチョコレートスプレッド スティック 10g×35本
「マービー」シリーズは、糖尿病を患っている方の食事療法をサポートするために作られました。
このチョコレートスプレッドは、砂糖を使った商品に比べてカロリーを30%カットしています。それでいて風味豊かなカカオのコクや香りも楽しめます。
1本23kcalの使い切りスティックタイプなので、自分で計る手間もありません。安全性と美味しさを兼ね備えていて、多くの医療現場で選ばれ続けているシリーズです。
パルスイートカロリーゼロ 400g
「パルスイートカロリーゼロ」は、カロリーと糖類ゼロを実現したシュガーレスの甘味料です。主な原材料はアスパルテームとエリスリトールです。
パルスイートは普通の砂糖よりも甘みが強いため、少量ずつでも十分です。料理や飲み物など、毎日の食卓で幅広く使えます。
【冷凍】みしまの御膳みやびギフト 和食セット【低カロリー】【減塩】
「みしまの御膳みやび」は、すき焼き風、さばの味噌煮、とんかつという人気の和食御膳3種をセットにしました。
管理栄養士による監修のもと、どれもカロリーを290kcal以下、塩分2g以下に調整してあるので、糖尿病の方や健康的な食事を心がけている方におすすめです。
ギフトボックスに入れてお届けするので、贈り物にも最適です。
まとめ:糖尿病の介護食 むりせず少しずつ始めよう
様々な糖尿病の治療方法の中で、食事療法は最も基本になります。肥満や合併症を防ぐので、理想通りにできたら一番よいかもしれません。
毎食バランスのよい献立と規則正しい食事、そして間食やアルコールはできるだけやめるのが一番です。
ですが、理想通りの食事療法をむりに行うと、間食のドカ食いや糖質の摂りすぎなどにつながってしまうことがあります。
そうならないように、少しずつ暮らしに取り入れてみて下さい。
糖尿病の治療は、食事療法などを続けて健康な人と同じ暮らしをすることをめざします。
砂糖やエネルギーをカットしたお菓子にする、糖質オフのお酒に切り替えるなど、これからも楽に長く続けていけるための工夫をしていきましょう。