高カロリーで低たんぱく|食材と調理法を解説!

高カロリーで低たんぱく|食材と調理法を解説!
高カロリーで低たんぱく|食材と調理法を解説!

腎臓病の食事療法で大切にしているポイントに、「たんぱく質を控えること」があります。たんぱく質を過剰摂取すると、弱っている腎臓にさらに負担がかかってしまうためです。

ですが、必要な分のたんぱく質も減らしてしまうとエネルギーまで足らなくなり、体重の減少や低栄養などを起こすことがあります。そのため、腎臓病食では低たんぱくと同時に「カロリーアップ」も大切にしていきます。

今回の記事では、手軽にバランスよく高カロリー・低たんぱくな食事療法を実現するポイントについて解説します。
はじめに腎臓病食に適した食材を肉や野菜といった種類別に紹介し、合った調理法を解説します。簡単にエネルギーを摂れる市販品も併せて紹介しているので、ぜひ参考にして下さいね。

 

なぜ腎臓病食は「高カロリーで低たんぱく」なの?

腎臓にはたくさんの重要な働きがあります。そのうちのひとつが「血液中の老廃物を取りのぞいて体外に排出すること」です。
たんぱく質を食べると、代謝されて体内には老廃物ができます。ですが、弱っている腎臓は大量の老廃物を体外に排泄できないので、どんどん蓄積されてしまうのです。

そのため、腎臓病の食事療法は「食べる量に気をつけることで、腎臓の負担を減らそう」に基づいて行っていきます。一般的にたんぱく質の制限が始まるのはステージ3からなので、1~2の間は過剰摂取しないことを心がけます。

ですが、たんぱく質を抑えると、どうしてもカロリーの摂取量まで減ってしまうことがあります。そこで、腎臓病の食事療法では、低たんぱくで高カロリーな食材を選ぶことが大切になるのです。

高カロリーで低たんぱく  主食とおかずの食材選び

たんぱく質やカロリーの量は、食材によって大きく異なります。ここでは、主食や肉・魚、野菜など、種類によってそれぞれ紹介します。

高カロリーで低たんぱく(1)たんぱく質調整の主食

腎臓病の食事療法では、主食をたんぱく質調整(低たんぱく)の食品に切り替えることをおすすめしています。
普通の白米やパン、麺類などはどれもたんぱく質が高いため、食べられる量を減らすしかなく、あまり満腹感が得られません。そこで主食をたんぱく質調整のものに替え、ボリュームを維持します。

たんぱく質調整の食品は主にでんぷんから作られており、食感や風味などが普通の製品にとても近くなっています。また、大半が減塩・低カリウム・低リンの製品なので、安心して毎日召し上がれます。

高カロリーで低たんぱく(2)肉・魚

肉・魚は、種類によってたんぱく質の量がかなり異なります。

肉は、基本的に脂が多い部位のほうが低たんぱくです。牛や豚のバラ肉、鶏もも(皮付き)、ひき肉などはたんぱく質が少なめです。

魚は、赤身魚よりも白身魚・青魚のほうが低たんぱくなので、腎臓病食におすすめです。比較的カロリーは低いので、揚げたりフライにしたりするなど、油を使う調理法で補いましょう。

高カロリーで低たんぱく(3)野菜

野菜はビタミンやミネラルが豊富で低たんぱくなため、腎臓病食にも多く取り入れていきたい食材です。ですが、種類によってはかなりたんぱく質が多いものもあるので、注意が必要です。
特に、枝豆やグリンピースなどの豆類、タケノコ、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどに多く含まれています。

また、低たんぱくでもカリウムが豊富な野菜が多いので、ゆでこぼしてから使うようにしましょう。

高カロリーで低たんぱく(4)脂質

腎臓病の食事療法で十分なカロリーを摂取できず、体重が落ちてしまう方は脂質で補いましょう。調味料の場合、マヨネーズ、オリーブオイル、バター、ドレッシングは脂質が高く、塩分が少なめです。

また、ごはんものの場合はチャーハンやピラフなどの炒めごはん、パンの場合はクロワッサンといったように、油やバターを多く使うメニューを選ぶと効率的にカロリーアップできます。

高カロリーで低たんぱく(5)おやつ

腎臓病の食事療法で十分なカロリーを摂取できず、体重が落ちてしまう方はおやつで補いましょう。普通のおやつでおすすめなのは、くずもち、チョコ、グミ、ドーナッツ、カステラ、水ようかんなどです。

それ以外にも、高カロリー・低たんぱくの栄養補助食品がたくさん販売されているので、ぜひ利用しましょう。特にゼリーやジュースはいつでも簡単にカロリー摂取できるのでおすすめです。

高カロリーで低たんぱくになる調理法は?

選んだ食材を高カロリーにするには、「調理法」も大切です。ここでは、ご自宅で簡単にカロリーアップできる2つの調理法について紹介します。

カロリーアップの調理法(1)油で揚げる

手軽にカロリーアップするためには、油で揚げる調理法がおすすめです。
特に、素揚げよりも、衣をつけて揚げるフライや天ぷらのほうが油の吸収率がよいので、効率的にカロリーアップできます。

カロリーアップの調理法(2)炒める

食材を炒めることも油を使うため、カロリーアップできる調理法です。また、汁気の多い料理よりも炒め物のほうが塩分を抑えられるので、減塩という点からもおすすめです。

ゆでる・網焼き・蒸すはカロリーダウン

ゆでる・網焼き・蒸すという3つの調理法は、食材に含まれる脂が流れ出てしまうので、カロリーアップしたいときにはあまりおすすめしません。
特にゆでると最もカロリーダウンするので、注意しましょう。

市販品で手軽に高カロリー!低たんぱくの食品おすすめ3選

高カロリー・低たんぱくな食品は、市販品にもたくさん揃っています。どこへでも持ち運べてすぐエネルギーになるものも多いので、常備しておくのもおすすめです。

MCT入りミニゼリー ミックスブルー 25g×3種×10【高カロリーゼリー】【低たんぱく】 容易にかめる

「MCT入りミニゼリー」は、1個たったの25gという小さなゼリーで、53kcalのエネルギーが摂れます。たんぱく質を一切含んでおらず、カリウム・リンもほとんど入っていません。

近年注目されているMCT(中鎖脂肪酸油)も入っているので、普通の植物油に比べて消化・吸収されやすく、すぐエネルギーになります。
また、容易にかめるユニバーサルデザインフード(UDF)なので、誰でも楽にお召し上がりいただけます。
1袋にオレンジ、グレープ、ピーチという3種類の味が入っています。
また、その他にも味の異なる種類もありますので、好みに合わせて選んでみてくださいね。

MCT入りミニゼリー ミックスピンク 25g×3種×10
MCT入りミニゼリー ミックスグリーン 25g×3種×10

【購入者様の声】
食欲がないが、カロリーを取らなくてはいけない家族のために購入。味にうるさい人ですが、こちらのゼリーは美味しく食べています。小さく食べやすいのに高カロリーで大変助かっています。次回は違う味にもチャレンジしたいです。

ジンゾウ先生のカステラ 80g

「ジンゾウ先生のカステラ」は、でんぷんを使用した一口サイズのカステラです。動物性たんぱく質比が90%以上なので、腎臓病の食事療法で不足しやすい良質なたんぱく質も補えます。
1袋80gで401kcal摂れますが、たんぱく質はしっかり2.56gに抑えられています。
ハートとクマさんの形がとても可愛く、しっとりした食感で美味しいカステラです。

【購入者様の声】
父が透析患者で食べても良いおやつの判断にいつも迷います。和菓子より洋菓子が好きな人なので安心して食べられるこちらの商品はとても有り難いです

こなあめ(サナス)1kg

粉飴は、でんぷんから作られた糖質マルトデキストリンを原材料としたエネルギー補給用食品です。
サナスの「こなあめ」は、高カロリーでたんぱく質ゼロ、低リン、低カルシウムなので、腎臓病の食事療法をしている方にとても適しています。

甘さ控えめなので、食事や飲み物に入れても味にほとんど影響を与えることなくカロリーアップできます。

まとめ:高カロリーで低たんぱく 時にはおやつで美味しく補おう

腎臓病の食事療法で大切になる「高カロリー・低たんぱく」。食材や調理法でもある程度コントロールはできますが、毎日となると難しいこともあります。
その場合は、栄養補助食品のおやつで補うことをおすすめします。

最近は普通のゼリーや焼き菓子と変わらないほど美味しいものも増えているので、簡単に美味しくカロリーを補えます。
粉飴のように、味をほとんど変えずにカロリーアップできるタイプもおすすめです。

小さく手軽に持ち運べる食品も多いので、どこでもカロリーを補給できます。味のバリエーションも豊富なので、ぜひご自分に合ったもので楽しく食事療法を続けていきましょう。

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