最近、日本だけではなく、世界からもスーパーフードとして注目されている「味噌」。健康や美容への効果効能が研究で明らかになり、あらためて見直されている食品です。
ですが、腎臓病の食事療法を行っている方にとっては、「塩分が多いイメージがある」「減塩味噌ってあまり美味しそうに思えない」といったことなどが気になり、毎日の食事に取り入れづらいと感じる食品かもしれません。
そこで、今回の記事では、腎臓病食にも上手に味噌を取り入れる方法について紹介します。
記事の前半では、味噌の効果効能について具体的に解説します。
後半では、食事療法を行っていても安心して食べられる味噌汁のレシピについて、たんぱく質やカリウムなどについても触れながら紹介します。
食事療法は、食品に対して安心・信頼する気持ちが最も大切です。本記事で、ぜひ減塩味噌のよさについて知っていただけると幸いです。
日本が誇るスーパーフード「味噌」のちから
健康面や美容面など、味噌には様々な効果効能があることが知られています。具体的にどのようなものがあるのか、まずは押さえておきましょう。
健康・美容にも効果あり!味噌の効果効能とは
(1)腸内環境を整える
発酵製品である味噌には、体によい影響をもたらす善玉菌を増やし、腸の働きを活発にする成分が豊富に含まれています。
味噌はそのように腸内環境を整えてくれ、その結果、免疫力も高めてくれるのです。
(2)胃の病気から守ってくれる
味噌には、胃の粘膜を守る働きがあります。そのため、毎日味噌汁を飲む習慣がある人は、まったく食べない人に比べて、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気になる確率がぐんと下がるという研究結果があります。
(3)美肌効果
味噌に含まれる「遊離リノール酸」には、シミ・そばかすを発生させるメラニンの合成を抑えてくれる働きがあります。
(4)メンタルを整える・不眠症の予防
味噌汁に含まれるトリプトファンには、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを増やす働きがあります。セロトニンを増やすことで気持ちが落ち着き、安眠効果も得られると言われています。
トリプトファンは大豆製品に豊富に含まれるので、ぜひ意識して摂取したいものです。
(5)生活習慣病を予防する効果
味噌は、糖尿病や骨粗鬆症、脳卒中といった生活習慣病の発症率を下げてくれる働きがあると言われています。
味噌の主原料である大豆レシチンには悪玉コレステロールの吸収を低下させる効果があり、サポニンには血清コレステロールが上昇するのを抑制する効果があるためです。
腎臓病の食事療法中でも食べられる?
味噌は、健康や美容などからだの様々なことによい影響をもたらしてくれるスーパーフードですが、唯一の欠点は「塩分が高い」ことです。これは、減塩を心がける必要がある腎臓病の食事療法を行っている方にとっては気になる点です。
ですが、結論から言うと、腎臓病の食事療法をしていても味噌は食べられます!
最近では多くのメーカーから、塩分を大幅にカットした「減塩味噌」が販売されているので、それらを使うことをおすすめします。
ちなみに、減塩味噌の目安は、従来の商品から約25~50%の塩分がカットされていることです。
濃い味付けに慣れていると、最初のうちは減塩味噌で作る味噌汁やおかずに対して物足りなさを感じるかもしれません。ですが、自然と慣れるものなので、焦らずゆっくり取り組んでいきましょう。
腎臓病の食事療法中 1日何杯が目安?
腎臓病の食事療法を行っている場合、味噌汁を含む汁物は1日1杯が目安だと言われています。
ですが、塩分やたんぱく質の適量は腎臓の状態によってかなり異なるので、主治医や管理栄養士によく相談しましょう。
簡単!腎臓に優しい減塩の味噌汁レシピ
味噌汁は10分あればできる手軽な料理ですが、健康や美容に対する効果効能はとても大きなものがあります。洋食派の方にも、週に何回か取り入れてほしいメニューです。
ここでは、腎臓病の食事療法を行っている方でも安心して食べられる減塩の味噌汁レシピを紹介します。
たんぱく質やカリウムなどについても説明しているので、ぜひ毎日の食卓で参考にしてみて下さいね。
基本の味噌汁
腎臓病の食事療法を行っている場合、味噌汁の具材には、絹ごし豆腐、わかめ、ねぎなどがおすすめです。それらを塩分控えめのだし汁と減塩味噌でいただきましょう。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりもたんぱく質、カリウム、リンが少し低めです。そのため、少しでもそれらを減らしたい場合には絹ごし豆腐をおすすめします。
揚げ茄子の味噌汁
茄子は油をよく吸収してくれる野菜なので、たんぱく質を控えた腎臓病食で体重が落ちてしまう方にとてもおすすめです。揚げたり炒めたり、様々な調理法で美味しくカロリーアップできます。
また、ナスニンと呼ばれる成分には強い抗酸化力があるため、ガンや生活習慣病などの原因になる活性酸素を抑える効果があると言われています。
味噌汁の具材にぴったりの茄子ですが、カリウムを含んでいる点には注意して下さい。
切ってからゆでこぼすことで、約1/3~2/3まで減らせます。お湯にはカリウムが大量に溶け出しているので、味噌汁には使わずに捨てましょう。
減塩の味噌 市販品のおすすめ3選
近年、健康志向の高まりもあり、様々な減塩味噌が販売されるようになりました。インスタントから本格的な味噌まで揃っているので、ぜひご自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
フリーズドライ即席みそ汁 12食
「フリーズドライ即席みそ汁」はインスタント食品ですが、真空凍結乾燥製法で作っているため、素材の風味を十分に味わえます。
1食当たりカロリー45kcal、たんぱく質0.9g以下、食塩相当量0.8gなので、腎臓病の食事療法を行っている方でも安心して召し上がっていただけます。
また、1袋に豆腐、長ねぎ、小町麩が各4食・合計12食入っているので、お好みに合わせて選べます。
使い方も簡単で、お椀に中身を入れて約160mlの熱湯を注ぎ、軽くかき混ぜれば完成です。忙しい日のために常備しておくのもおすすめです。
【購入者様の声】
いつもの自宅のお味噌汁の具材をプラスします。生姜のみじん切り、えのきだけ、ニンジンなど。早朝に出かける場合など、即できますからよく使っています。味も満足しています。リピート商品です。
減塩みそ 750g
「減塩みそ」は、独自の技術で食塩量を約50%カットした商品です。味噌汁1杯に含まれる食塩は約0.9gです。
味噌は和食にとって欠かせない調味料ですが、これなら毎日安心して使用できます。
【購入者様の声】
いつもお味噌汁を作るのに制限をかけていたのですが、気兼ねなくお味噌汁を作れる事が大変助かりました。病状が安定しているので続けて使いたい商品です。
減塩いりこみそ 8g×40個
「減塩いりこみそ」は、瀬戸内のいりこやごまを合わせたおかずみそです。
従来の自社商品である「いりこみそ」に比べてナトリウムを30%カットし、代わりに普段不足しがちな鉄を3.8mg加えています。
1食当たりのエネルギーは24kcal、たんぱく質0.6g、食塩相当量0.33g、グルタミン酸ソーダ無添加なので、腎臓病の食事療法を行っている方でも安心して毎日召し上がっていただけます。
1食ごとに分かれているため、どこへでも持ち運びでき、使いすぎずに済むところもメリットです。
まとめ:しっかり味のある減塩味噌で美味しく健康に!
味噌は、海外の研究でも健康や美容などに効果効能があきらかになっている、まさに日本が生んだスーパーフードです。
日本ではリーズナブルに購入できますし、手軽に作れます。1日1杯の味噌汁で病気を予防でき、美容への効果も期待できるなら、ぜひ取り入れていきたい食品ですよね。
また、味噌の唯一の欠点ともいえる「塩分」についても、近年はたくさんの減塩味噌が販売されるようになったため、気にかける必要がなくなりました。
減塩味噌にもインスタント食品から本格的な味噌まで幅広く揃っており、ご自分の暮らしに合わせて簡単に取り入れられます。
健康に気づかっている方への贈り物としてもおすすめです。
味噌のパワーで、ぜひ手軽に健康や美容を維持していきましょう。