腎臓病の食事療法と聞いて「肉を控えめにする」ということが思い浮かぶ方はたくさんいらっしゃいます。ですが、肉の種類や部位は数多くあり、具体的にどこまで摂ってもいいのかわかりづらいものですよね。
今回の記事では、普段食卓でよく使われる牛・鶏・豚のたんぱく質をテーマにしています。各種類について、低たんぱくで使いやすい部位やおすすめのメニュー、調理のコツなども併せて解説します。
また、「たまには肉を食べたい!」という方は、ぜひ市販品の御膳や高級弁当などのおすすめも参考にして下さい。塩分やカリウム・リンなども抑えてあるので、贈り物にも最適です。
牛・鶏・豚 低たんぱくな肉・部位は?
最初に、牛・鶏・豚の種類ごとに低たんぱくの部位を紹介します。
腎臓病食には「適度に脂肪がある部位」がおすすめです。
たんぱく質を多く含む部位を使うと量を控える必要があるので、食事量に満足できなくなってしまいます。そこで低たんぱくの肉や部位を選び、ボリュームアップするよう心がけます。
低たんぱくな肉(1)豚バラ、ロース
豚肉は、豚バラと脂身つきのロースがおすすめです。ちなみに肩ロースとロースの成分にはほとんど違いがないので、どちらを選んでも大丈夫です。
一方、ヒレやももは高たんぱくで低脂質なため、腎臓病食にはあまり向きません。
低たんぱくな肉(2)皮付きの鶏もも、むね
鶏肉でおすすめなのは、皮つきのももやむねです。特に脂のかたまりである皮はエネルギーアップできるため、たんぱく質制限で体重が減ってしまう方におすすめです。
よく健康食として紹介される、皮を取り除いたもも、むね、ささみは、低たんぱくで脂質が少ないので、腎臓病食にはあまり向いていません。
低たんぱくな肉(3)牛バラ、牛肩ロース、脂身つき
牛肉は全体的にたんぱく質が多いため、腎臓病の食事療法では量に注意する必要があります。
バラはたんぱく質やカリウムが比較的少なく、エネルギーが高いため、腎臓病食におすすめです。
ハム、ウィンナー、ベーコンには要注意!
ハム、ウィンナー、ベーコンなどの加工食品は、とても使いやすく、たんぱく質も他の肉に比べると控えめです。
ですが、食品添加物に含まれるリンが非常に多いため、腎臓病の食事療法を行っている方は量に注意しましょう。
リンはゆでこぼせば減らせるので、調理前にカットしてお湯に通しましょう。ゆで汁は大量のリンが溶け出しているので、使わずにそのまま捨てて下さい。
肉料理を低たんぱくで!おすすめメニュー8選
肉料理を低たんぱくでバランスのよい料理にするには、野菜をたっぷり使うことが一番のコツです。ここでは、肉と野菜を使い、塩分・カリウム・リンなども控えられるメニューを紹介します。
豚料理:野菜のはさみ揚げ・しゃぶしゃぶ・麻婆春雨
野菜のはさみ揚げは、ひき肉と玉ねぎを合わせたものに野菜をはさみ、油で揚げる料理です。カロリーアップできるので、腎臓病食で体重が落ちてしまう方に特におすすめです。
しゃぶしゃぶは、野菜をゆでることでカリウムを減らせます。塩分の少ないポン酢でいただきましょう。
麻婆豆腐はたんぱく質が比較的多いため、麻婆春雨や麻婆茄子のほうがよいでしょう。特に春雨はたんぱく質や塩分をほとんど含まず、カリウムやリンも少ないのでおすすめです。
鶏料理:ラタトゥイユ・竜田揚げ・チャーハン
ラタトゥイユは、皮付きの鶏もも肉を使い、様々な野菜と肉を煮込んでトマト味にしたものです。さわやかな酸味があり、食欲がわかない夏場にもぴったりのメニューです。
鶏むね肉を油で揚げる竜田揚げは、比較的たんぱく質が少なく、手軽にカロリーアップできます。
油で炒めるチャーハンはたんぱく質や塩分が少なめなので、腎臓病食に比較的適しています。外食にもおすすめのメニューです。
牛料理:すき焼き・肉じゃが
牛肉はたんぱく質が多いので、野菜や春雨、こんにゃくなどと一緒に食べられるメニューを選ぶようにしましょう。すきやきと肉じゃがはこれらの食材と相性抜群なので、おすすめです。
腎臓病の食事療法 肉は野菜と一緒に
腎臓病食は、栄養に偏りのなくバランスのよい食事が理想です。
たんぱく質が多い肉類はあまり摂れませんが、その分野菜を増やしましょう。また、春雨やこんにゃくなどの食材も上手に取り入れ、満足できるボリュームを心がけて下さい。
肉料理は低たんぱくの市販品で!おすすめセット3選
「たまには肉の旨みを感じられる料理を食べたい!」という日には、低たんぱく(たんぱく質調整)の御膳や冷凍弁当などの市販品がおすすめです。温めるだけで食材本来の美味しさが味わえます。
冷凍食品のためギフトにも適しているので、食べるのが好きな方にぜひ贈ってあげて下さい。
【冷凍】みしまの御膳ほのか 人気セット(7食)
「みしまの御膳ほのか 人気セット」は、栄養に配慮しつつ、味にも見た目にもとことんこだわったビースタイルのオリジナル冷凍弁当です。
低たんぱく(たんぱく質調整)の商品は主食やおやつなどが多く、肉料理はあまりないため、お肉が好物の方に特におすすめです。
【セット内容】
牛すき焼き風、とんかつ、鶏のから揚げ、デミグラスハンバーグ、豚の生姜焼き、ミックスフライ、親子煮 (各1個・合計7種類)
たんぱく質、塩分、カリウム、リンなど、腎臓病食で気をつける4栄養素を抑えてあるので、安心して召し上がっていただけます。
【購入者様の声】
ほのか弁当は、湯煎でもでき、美味しいので、気に入ってます。
私が、食べました、お弁当全部好きです。
いろいろな商品も揃っていて、とてもよいです。
【冷凍】みしまの御膳ほのか 中華セット(4食) まとめ買い
「みしまの御膳ほのか 中華セット」は、ビースタイルオリジナルの便利な冷凍弁当『みしまの御膳ほのか』シリーズの中から、人気の中華メニューを4種類セットにしました。
【セット内容】
麻婆豆腐、ぎょうざ・焼売、にら玉炒め、家常豆腐 (各1個・合計4種類)
みしまの御膳ほのかシリーズはすべてたんぱく質、塩分、リン、カリウムなどを控えています。そのため、麻婆豆腐やぎょうざといったメニューも安心してお召し上がりいただけます。
低たんぱくミート ミンチ 乾燥タイプ 180g
食物繊維・こんにゃくイモ抽出を主原料として、たんぱく質を抑えながらも肉の食感を再現した肉様食品なのでたんぱく質を調整している人でも満足感のあるおかずが食べられる、低たんぱく肉代替食材です。
【購入者様の声】
バーガーパンの具材としてハンバーグを作って職場に持っていってます。豚ひき肉を少し混ぜて、胡椒とかニンニク油とかタンパク質がないものを探して、色々入れて旨味が増すか楽しんでいます。コールスローとかサラダを一緒に挟むとまさにハンバーガーになります。
まとめ:低たんぱくの肉料理は部位とメニューを選んで
腎臓病の食事療法は、ステージによってはたんぱく質を制限する必要があります。そのため、「肉は食べられないのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
ですが、本記事で紹介したように、肉や部位、そしてメニューなどによって食べられるところはたくさんあります。塩分控えめでカロリーアップできる調理法や料理も多いので、ぜひ試して下さいね。
たんぱく質は、健康を維持するためのとても大切な栄養素です。必要量を摂らずにいると、免疫力が落ちたり、低栄養になることもあります。
お身体の状態を主治医や管理栄養士とよく確認しながら、ご自分やご家族に適した量を摂るようにしましょう。