慢性腎臓病(CKD)だと診断された方の中には、インターネットで「腎臓病が良くなる食べ物」を検索している方がたくさんいらっしゃいます。
確かに、普段の食事によって少しでも症状が良くなれば、それに越したことはありません。
ですが、「腎臓病に良い食べ物」などのキーワードで検索しても、情報が非常に多い上に紹介されている食べ物がバラバラなため、どれが正解なのかわかりづらいものです。
そこで、今回の記事では、最初に「そもそも腎臓病に効く食べ物はあるのかどうか」について解説します。続いて、腎臓病の進行を抑えるポイントや、気をつけるべき栄養素などを紹介します。
ご自分やご家族の健康のために、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
腎臓病に良い食べ物はある?進行を抑えるための3ポイント
最初に、気になっている方の多い「腎臓病に効く食べ物はあるのかどうか」について、結論から先にお伝えします。
また、腎臓病の進行を抑えるための3つのポイントについても併せて紹介します。
ポイント(1)腎臓病に良い食べ物は「ない」
結論から申し上げますと、腎臓病に良い食べ物は「ない」のです。
慢性腎臓病(CKD)は治癒が難しいため、完治を目指すというよりも、腎臓病の進行をできるだけ抑える療法が一般的です。
ですが、腎臓病に直接的に効く食べ物はありませんが、同時に「食べると危険」という食べ物もありません。ステージや持病などによりますが、量にさえ気をつければ食べても問題のない食べ物は数多くあります。
腎臓病になったからと言って、肉や野菜、おやつなどが一切食べられなくなるわけではありません。
一日三食、栄養バランスに気をつけながら体にいいものを食べることが大切なのです。
ポイント(2)「これは腎臓病に効く!」の情報を安易に信じない
インターネットやテレビには、「腎臓病に効く!」という食べ物の情報が数多くあります。
もしもこういった食べ物に関心を持ったら、すぐに信じて取り入れたりせず、必ず主治医に相談しましょう。
主治医から「食べても大丈夫」と言われたら、適量についてもしっかり確認して下さい。稀に、腎臓にいいからと毎日大量に摂取し、腎臓やそれ以外の部分を悪化させてしまう方がいらっしゃいます。
どんなに健康に良い食べ物でも、過剰摂取すれば毒になることもあります。くれぐれも量には気をつけましょう。
ポイント(3)我流の食事療法はやめる
上段とも関係していますが、インターネット上にある「腎臓病に効く食べ物」の情報をもとに、我流の食事療法を行うのはやめましょう。
食事療法は本来、主治医や管理栄養士とともに、データを取って経過をチェックしながら行うものです。
専門知識のない人間が、そのような確認もなく自己判断で食事療法を行うと、かえって病気を進行させてしまう危険性があります。
食事療法は、ステージや持病、アレルギーなどによってかなり個人差があります。また、偏った食事は腎臓に負担がかかるため、必ず主治医に相談しながら行って下さい。
腎臓病のために気をつける栄養素と食べ物とは
腎臓病には、摂取する量に気をつける栄養素や食べ物が4つあります。最初にそれらを抑えることで、食事療法をスムーズに始められます。
腎臓病になったら(1)塩分の摂取量を抑える
腎臓病の食事療法で、ステージに関係なく気をつけるのは「塩分」です。塩分の1日の適量は、3~6g未満です。
近年は、美味しい減塩商品が多く販売されるようになったため、食事療法の中でも取り組みやすい部分です。また、たんぱく質やカリウムのように、不足によって体調不良が起こることもないので、安心して行いましょう。
腎臓病になったら(2)たんぱく質の摂取量を抑える
腎臓病の食事療法で気をつける2つ目の栄養素は、「たんぱく質」です。
たんぱく質は、確かに量を控える必要がありますが、体の健康を維持するためにも適量は摂取します。
稀に、たんぱく質を一切摂取しない極端な食事療法を我流で行う方がいます。筋肉や免疫が落ちてしまい、健康そのものを損なうため、絶対にやめましょう。
たんぱく質は、特に肉や乳製品、卵などに多く含まれています。ですが、部位や量などに気をつければ食べても問題ありません。
また、たんぱく質ゼロの食品も数多く販売されているので、それらも上手く取り入れましょう。
腎臓病になったら(3)カリウムの摂取量を抑える
カリウムは、主に野菜と果物に多く含まれています。野菜は、ビタミンや食物繊維といった体に必要な栄養素を多く含むので、腎臓の食事療法でも大切な食材です。
調理前に、茹でこぼしや水にさらすなどのひと手間でカリウムを大幅にカットしてから使うようにしましょう。
果物は、種類や量に気をつけて摂るようにしましょう。主にステージ3bからではありますが、カリウムの1日の適量は意外と少なく、1500~2000mg以下です。
バナナ1本で約540mg、キウイ1個で約300mgなので、注意しないとあっという間に適量に達してしまいます。
それ以外にも、野菜ジュースや100%果物ジュースは1本に約500mgほど含まれているので、ステージ1~3aの方も気をつけて下さい。
腎臓病になったら(4)リンの摂取量を抑える
リンは、主に加工食品や添加物、乳製品などに多く含まれています。不足することはまずないので、過剰摂取しないように注意しましょう。
たんぱく質にも多く含まれるため、肉や魚、卵、牛乳やチーズなどの量に気をつけましょう。
ジュースやみそ汁は腎臓病食の市販品で!おすすめ3選
通常のジュースやみそ汁は塩分やカリウムなどが多く、適量を摂ることが難しいため、腎臓病食のために開発された市販品がおすすめです。
元気ジンジン コーヒー味 100ml×18本
1本でエネルギー125kcal、食物繊維5.5g、カルシウム120mgが補給できます。甘酸っぱい爽やかな乳酸菌高カロリー飲料です。
【購入者様の声】
リピートで購入しています。
コーヒー味が一番好きかもしれないです。
カロリーと食物繊維も一緒に取れるのは透析をしているので重宝しています。
ハイカロ160 りんご味 125ml×18本
エネルギーを補給
すっきりした甘さで、エネルギーアップをされたい方におすすめです。1本(125ml)当たり160kcal。
1本(125ml)当たり食物繊維5g。食物繊維が不足している方にもおすすめです。
普通のフルーツジュースにとても近く、飲みやすいドリンクです。同シリーズには、これ以外にもみかん味、レモンティー味があります。
【購入者様の声】
本品は腎臓疾患で入院中の病院で紹介され、以後20年以上愛飲しています。紹介された当時は甘さが気になりましたが、1~2週間程度で慣れ、今(現在透析中)ではカロリー補給にかかせない一品となっています。水分制限もあり本品を飲めるときが楽しみでしかたありません。りんごと併せ、みかん、レモンティも購入しています。本品は疾病者用の食品を扱ういろいろな会社で販売していますが、安価で購入できるので数年前からビースタイルで購入しています。
全病食(協)減塩みそ 750g
食塩50%以上カット! 独自の技術で食塩量を約50%カットしました。 みそ汁1杯(お湯160ml、みそ16g)に含まれる食塩は約0.9gです。
【購入者様の声】
お陰さまで、減塩が出来て病院の血液検査も問題なく安心です。
この味噌で魚を煮たりしても優しい味わいで美味しいです。
まとめ:腎臓病の食事療法は経験豊富な主治医とよく相談を
慢性腎臓病(CKD)には、「これさえ食べればよくなる!」という食べ物は、現在のところありません。もしそういった食べ物を取り入れたいと思ったら、まずは主治医に確認して下さい。
腎臓病の食事療法で最も大切なのは、栄養バランスの取れた食事です。
そのためにも、まずは腎臓に負担がかかる塩分・たんぱく質・カリウム・リンの4栄養素とその適量を覚えましょう。
次に、特に多く含まれる食材や食品から覚えていくとスムーズです。
腎臓病の食事療法の内容は、ステージや持病、アレルギーなど、様々な事柄によって変わります。そのため、腎臓病の食事療法の実績がある病院や医師とよく相談しながら行うことをおすすめします。