腎臓病食の献立|気をつけるべき4栄養素とカロリーを知ろう

腎臓病食の献立|気をつけるべき4栄養素とカロリーを知ろう
腎臓病食の献立|気をつけるべき4栄養素とカロリーを知ろう

腎臓病の食事療法は、慢性腎臓病(CKD)と診断されたときから始まることが一般的です。

「食事に気をつけて」と言われても、慣れないうちはどうすればよいのかわからず不安だったり、負担に感じたりするかもしれません。

 

ですが、腎臓病食の献立作りやレシピ選びには「コツ」があり、それさえ最初に抑えれば、楽に続けていくことができます。

 

今回の記事では、腎臓病食で気をつける4つの栄養素やその適量、減塩や低たんぱくを実現するための具体的なコツについて解説します。

また、腎臓病の食事療法を補う市販品の紹介もしているので、ぜひ参考にして下さい。

 

 

 

腎臓病の献立作り 4栄養素の1日の適量は?

 

腎臓病食の献立を作る前に、まずは気をつける必要のある塩分・たんぱく質・カリウム・リンの適量を押さえておきましょう。

 

4栄養素の適量(1)塩分

 

腎臓病食における塩分の1日当たりの適量は、ステージに関係なく「3~6g」です。

 

4栄養素の適量(2)たんぱく質

 

腎臓病食での、1日当たりのたんぱく質の適量は、標準体重とステージによって異なります。

 

例として、標準体重60kgの場合を見ていきましょう。

ステージ3aの場合、たんぱく質の適量は「60kg×0.8~1.0g=48〜60g」です。

ステージ3b・4でのたんぱく質の適量は、「60kg×0.6~0.8g=36〜48g」となります。

 

参考:慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版(日本医学社)

 

4栄養素の適量(3)カリウム

 

腎臓病食のカリウムの適量は、ステージによって異なります。

ステージ1~3aまでは、過剰摂取しなければ摂っても問題ありません。

ステージ3bでは2000mgまで、ステージ4・5では1500mgまでの制限になることが一般的です。

主に透析前か透析中の場合に、主治医からの指示によって制限します。

 

4栄養素の適量(4)リン

 

日本透析医学会では、透析を行っている方のリンの適量を「1日当たり(0.9〜1.2)×15×標準体重(kg)mg以下」としています。

そのため、1日当たりの摂取量の目安は、約700〜1100mg程度になることが一般的です。

 

腎臓病食のカロリー 適切な量は?

 

通常の食事では「減らす」ことに力を入れることの多いカロリーですが、腎臓病食では「増やす」ことを目指します。

 

日本透析医学会の食事療法基準によると、透析を行っている方の1日の摂取エネルギー量は、「体重1kg当たり30~35kcal」とされています。

標準体重=身長(m)×身長(m)×22 に、30~35 kcalをかけてカロリーを計算します。

 

そのため、身長160cmの場合、標準体重は1.6×1.6×22≒56.3kとなります。そこに先ほどの30~35kcalをかけると、1日当たり約1689~1970.5kcalのカロリーが必要になります。

 

ですが、カロリーは性別や年齢、身体活動度、合併症の有無などによってかなり異なります。正確な数値は、必ず主治医に確認しましょう。

 

腎臓病のレシピ選び すぐにできる3つのコツ

 

「腎臓病の食事療法」と聞くと、とても難しいことのように感じるかもしれません。ですが、最も大切なのは塩分とたんぱく質を減らし、適量を維持することです。

ここでは、この2つの栄養素を簡単に減らすコツについて紹介します。

 

レシピ選びのコツ(1)減塩調味料から始める

 

腎臓病の食事療法で、ステージに関係なく始まるのが「減塩」です。

まずは、通常の調味料を減塩調味料に切り替えましょう。特に、ついつい使ってしまう醤油やソースを減塩に変えることをおすすめします。

また、醤油はテーブルに出しておくのをやめ、使う分だけ小皿に出しましょう。

 

レシピ選びのコツ(2)低たんぱくの肉を覚えておく

 

腎臓病食の献立を考える際に、ポイントになるのが「肉」です。

腎臓病だと診断されても、肉類は食べられます。ですが、量と部位には気をつける必要があります。

 

例えば、高たんぱくの部位は少量しか使えず、あまり満足感を得られないので、できるだけ低たんぱくの部位をたくさん食べるようにしましょう。

全体的に、牛はたんぱく質が多く、鶏は少なめです。

 

最初のうちは、低たんぱくの種類と部位をメモして、冷蔵庫に貼っておくことをおすすめします。

 

レシピ選びのコツ(3)カロリーアップ食品で補う

 

腎臓病の食事療法でたんぱく質を減らすと、同時にカロリーまで減ってしまうことがあります。

 

その場合は、カロリーアップ食品(高カロリー食品)で補いましょう。高カロリーでたんぱく質ゼロのデザートやジュース、食事に混ぜるMCTオイルなど、現在は様々な種類のカロリーアップ食品が販売されています。

 

献立やレシピに迷ったら 腎臓病用の弁当がおすすめ!


腎臓病食は、通常の食事よりも気をつける点が多いため、多忙な日には負担になることもあります。また、使える食材が限られているので、毎日似たようなメニュ―になってしまう方もいるのではないでしょうか。

 

そのような場合は、腎臓病の食事療法のために作られた弁当や御膳がおすすめです。冷凍食品になっていることが多く、電子レンジで温めればすぐに召し上がれます。

管理栄養士監修の弁当なら栄養計算なしで美味しいお食事が簡単に食べられます。

 

特に、肉料理や玉子料理などは、自宅で低たんぱくにするのが難しいので、こういった商品を利用することをおすすめします。

 

腎臓病の食事療法 献立・レシピにおすすめの市販品3選

 

腎臓病の食事療法に便利な食品や、食事作りが難しい日におすすめの市販品3選を紹介します。

 

減塩だしの素 4g×30包

「減塩だしの素」は、通常の顆粒和風だし(※)に比べて、食塩相当量を約8割カットしています。

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)の顆粒和風だしの値

 

風味豊かなかつお節と昆布を使用しており、味噌汁や煮物、おでん、酢の物など、様々な料理にご利用いただけます。

4gずつに分かれたスティックタイプで、とても使いやすい仕様です。

【購入者様の声】
煮物に使用して重宝しています。料理のレパートリーが広がりました。

 

日清MCTオイル 400g

「日清MCTオイル」は、長鎖脂肪酸油(LCT)をまったく含まない中鎖脂肪酸油(MCT)100%のオイルです。MCT(中鎖脂肪酸油)は、ココナッツやパームフルーツに含まれる天然の植物由来の成分で、母乳や牛乳にも含まれています。

 

マクトンオイルは油っぽさが少なく、口当たりがさっぱりしているため、料理の味をそれほど変えることなくエネルギーアップできます。ドレッシングやスープ、炒め物、揚げ物などに幅広くご利用下さい。

【冷凍】みしまの御膳ほのか デミグラスハンバーグ 180g

温めるだけで美味しくお召し上がりいただける便利な冷凍弁当です。たんぱく質と塩分を調整していますが、美味しさにこだわり妥協せずにつくりました。焼き色も綺麗なごちそうハンバーグです。

【購入者様の声】
タンパク質、カリウム、塩分などの計算での料理作りは大変でした。
みしまの低タンパク弁当を知ってからハンバーグは必ず頼みます。
とにかく美味しいといって、主人食べてくれます。

まとめ:腎臓病食の献立やレシピは「具体的なワザ」を実践しよう

 

「腎臓病の食事療法のコツ」というテーマの特集や記事で、「我慢して減らす」「心がける」といった曖昧な気合のみを挙げているものをよく見かけます。

最初のうちはそれでも何とかなるかもしれませんが、やはり長続きはできません。

 

そうではなく、「減塩調味料や低たんぱく食品に変える」「ジュースは腎臓病食用のものにする」など、具体的な行動から変えていきましょう。

 

また、食事療法を続けるためには、少しずつでいいので、腎臓病と食事の関係性について知ることが大切です。減塩や低たんぱく、高カロリーにする理由をきちんと理解すれば、腎臓に大きな負担のかかる食事は次第にしなくなります。

時には簡単に調理できる冷凍食品もうまく活用しながら、無理せずに続けることが大切です。

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