とにかく大好物という方が多い「寿司」。シャリとネタが組み合わさった独特の形、手のひらに乗る大きさ、豊富な具材など、想像するだけでわくわくしてしまいますよね。
そんな人気の寿司ですが、腎臓病の食事療法が始まったら食べられないのか不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げて、「腎臓病だから寿司は食べられない」ということはありません。ですが、腎臓を守るためにも押さえておいてほしいポイントはいくつかあります。
今回の記事では、腎臓病食の方がこれからも寿司を楽しむコツについて解説します。
おすすめのネタとそうではないネタ、健康的に食べるコツや注意点などを幅広く紹介しているので、ぜひ目を通していただけると幸いです。
腎臓病食の外食 寿司について知ろう
腎臓病の食事療法を行っている方でも、寿司は召し上がれます。ここでは、これからも続けて楽しむために知っておいてほしい知識やコツを紹介します。
腎臓病食の寿司 特に注意したいのは塩分とリン
腎臓病の食事療法を行っている方が寿司を選ぶとき、特に注意してほしいのは「塩分」と「リン」です。
もちろん、寿司にはたんぱく質やカリウムも多く含まれています。
ですが、塩分とリンは気づかないうちに大量に摂っていることがあるので、それを防ぐためにも、どのネタや食べ物に含まれているかをしっかり押さえておきましょう。
にぎり寿司・ 回転寿司・ちらし寿司 おすすめはどれ?
寿司には、主ににぎり寿司・ 回転寿司・ちらし寿司の3種類があります。腎臓病の食事療法を行っている方におすすめなのは、回転寿司です。
単品ずつ取れる回転寿司は、ネタやサラダなどを自分で選べるので、塩分やリンなどの調整をしやすくなります。
次におすすめなのは、ちらし寿司です。野菜が多く、食べる量を調整でき、栄養バランスも取れています。
にぎり寿司の場合は、できるだけ塩分などが控えてあるものを選んだり、残したりすれば、それほど問題ありません。
ちなみに、魚とごはんが一緒になったメニューといえば、寿司以外にも海鮮丼があります。
見栄えのする海鮮丼ですが、うにやイクラが入っているため、非常にリンが高いメニューです。
また、最初から醤油やたれがかかっているものもあるので、あまりおすすめはできません。
腎臓病でも寿司を美味しく食べるには
腎臓病の食事療法には、「食べてはいけない!」という食べ物はありません。そのため、工夫すれば寿司も召し上がれます。
ここでは、腎臓病食が目指している栄養バランスを寿司で実践するコツを紹介します。
腎臓病と寿司(1)おすすめできないネタは?
腎臓病の食事療法を行っている方にあまりおすすめできないネタを、理由とともに紹介します。
〈たんぱく質が多い〉マグロの赤身・鉄火巻き・アジ・カツオ・卵
赤身の魚はたんぱく質が多く含まれています。
〈塩分が多い〉イクラ・アナゴ・ウナギ・数の子・食肉加工品
味つけしてあるネタは、塩分が非常に高くなります。
〈リンが多い〉ウナギ・サーモン・イワシ・アナゴ・ウニ・イクラ・数の子
リンは魚の骨や卵に多く含まれているため、骨ごと食べられるネタには要注意です。
腎臓病と寿司(2)おすすめのネタは?
腎臓病の食事療法を行っている方に比較的おすすめできるネタは、下記の通りです。
イカ・赤貝・かっぱ巻き・納豆巻き・ちらし寿司
少なく感じるかもしれませんが、これだけしか召し上がれないわけではありません。
また、「おすすめできないネタ」で紹介したものについても、量や調味料などに注意すれば大丈夫です。
腎臓病と寿司(3)醤油の量とつけ方
腎臓病食の方が寿司を召し上がる際、ポイントになるのが「醤油」の塩分です。
醤油は使う分だけを小皿に出し、それ以上加えないようにしましょう。目安は小さじ1(6cc)です。
そして、つける際には、シャリではなくネタのほうに少量つけるようにして下さい。ささいなコツですが、そうすることで塩分を半分までカットできます。
また、普段の食事と同じようにわさびを使うことで風味が増し、少量の醤油でも満足できます。ですが、店内にあるものがチューブタイプの場合は塩分が多いので、使わないことをおすすめします。
テイクアウトしてきて家で召し上がる場合は、減塩醤油を使いましょう。
腎臓病と寿司(4)おひたしやサラダも摂る
外食で寿司へ出かけ、魚や肉ばかりを注文すると、シャリと魚肉に含まれるたんぱく質・塩分・砂糖を過剰摂取してしまいます。おひたしやサラダなども一緒に摂り、栄養バランスを整えて下さい。
ちなみに、味噌汁や茶碗蒸しも塩分が多いので、量には気をつけるようにしましょう。
腎臓病と寿司(5)緑茶やガリには気をつけて
口の中をサッパリさせたいときに、つい手を伸ばしてしまう緑茶やガリ。ヘルシーな印象がある方もいらっしゃるかもしれませんが、腎臓には負担が大きいので注意して下さい。
緑茶はカリウムが多いうえに、水分摂取量も増えやすいことがデメリットです。水分制限のある方は特に気をつけましょう。
また、ガリはたった20gで0.6gの塩分を含んでいます。好物だという方はぜひ控えて下さい。
4栄養素を控えた冷凍寿司の市販品3選!毎日の食卓にも◎
腎臓病の食事療法を行っている方におすすめの、たんぱく質や塩分など4栄養素を控えた冷凍寿司を紹介します。
【冷凍】冷凍寿司 いそいちちらし寿司 235g×1食
「冷凍寿司 いそいちいなり」は、国産のたんぱく質調整米を使用してふっくら炊き上げた酢飯に、海老・蓮根・絹さや・錦糸卵・でんぶを散りばめたちらし寿司です。
華やかなので、普段の食卓だけではなく、お祝いの日にもおすすめです。
【冷凍】冷凍寿司 いそいちいなり 40g×3個
「冷凍寿司 いそいちいなり」は、厚みのあるいなりあげでたんぱく質調整米の酢飯を包み込みました。ゴマや酢の風味や香りを味わえる、本格的ないなり寿司です。
電子レンジで1分30秒ほど温めればすぐに召し上がれます。冷凍庫の中でもスペースを取らないので、忙しいときのために常備しておく方もいらっしゃいます。
【購入者様の声】
主人が人工透析をしています。1日3食のメニューを考えるのは大変ですが、いそいちいなりと太巻き寿司を喜んで食べてくれるのでとても助かっています。
【冷凍】冷凍巻き寿司 いそいち巻き 39.5g×3個
「冷凍巻き寿司 いそいち巻き」は、低たんぱくの国産米を使用し、1巻(39.5g)当たりの食塩相当量を0.23gに調整した巻き寿司です。
3個入りの食べ切りサイズで、電子レンジや湯煎で簡単に解凍できるので、リピーターの多い人気商品です。
【購入者様の声】
巻き寿司は作るのが手間なうえ一巻作っても蛋白、カリウム制限があると食べきれないので助かります。
まとめ:ネタと醤油に気をつければ腎臓病でも寿司は楽しめる!
腎臓病の食事療法が始まると、これまで召し上がっていた様々なメニューが大丈夫なのか気になりますよね。
今回のテーマである寿司の場合は、いくつかのコツや注意点などを守れば大丈夫です。
寿司の中で比較的おすすめなのは、回転寿司です。単品ずつ選べるので、腎臓に負担のかからないネタやサイドメニューなどをバランスよく組み合わせられます。
また、どの寿司でも醤油の量には気をつけて下さい。最初から使う分を小皿に出しておき、それ以上は追加しないようにしましょう。
普段の食事も低たんぱくや減塩のものに切り替えると、外食にも制限があるのではないかと不安になるかもしれません。ですが、これからもこういったコツを実践することで召し上がれるメニューは数多くあります。もちろん主治医の判断が最優先なので、好物のある方はぜひ適量の目安について聞いてみて下さい。
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