腎臓病の食事療法が始まると、朝・昼・晩の食事がこれまでとは少し変わります。
朝食はゆっくり食べることが少ないため、つい腎臓病食についての知識が後回しになってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「できれば腎臓病食も他のご家族の分も同時に作りたい」と悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
今回の記事では、そんな「腎臓病食の朝食」をテーマに解説します。私たちの主な主食である「パン」と「ごはん」に分け、おすすめの食材や調理法、注意点などを紹介します。
明日からすぐに取り入れられるようになっているので、ぜひ参考にして下さい。
腎臓病の朝食 パン派もごはん派も押さえたい「たんぱく質」の目安
最初に、パン派にもごはん派にも共通する「腎臓病の食事療法におけるたんぱく質の適量」について押さえておきましょう。
たんぱく質の適量は、身長や体重、ステージや年齢などによって異なりますが、一般的には、標準体重が60kgの場合、1日当たり約50g~60gです。
そのため、腎臓病食の献立を作る際にも、朝食のたんぱく質を10~20g、昼食と夕食をそれぞれ20gずつにすると管理が楽になります。
腎臓病食では、朝食からできるだけたんぱく質を減らし、その分を夕食で摂ることを心がけます。理想は「主食+副食」の組み合わせです。
主食:食パン4枚切(バター)またはおにぎり2個…たんぱく質5g
副食: 果物、サラダ、ジュースなどの飲料(乳製品以外)…たんぱく質1g
そうなると、朝食の際に肉・魚・卵・大豆製品から摂るたんぱく質は、残りの「約4~14g」になります。
下記は、朝食でよく使われる食品・食材のたんぱく質「6g」の目安です。ほんの一例ではありますが、「ここから1品を選ぶ」「これらを組み合わせればいい」と考えると、料理をイメージしやすくなるので、おすすめです。
・鮭切り身1/2
・ウインナー約3本
・ハム約3枚
・牛乳 180ml(コップ1杯)
・納豆 40g(1パック)
腎臓病の朝食【1】パン派
パン派の朝食によく登場するパン、卵、ハムやベーコンなどを腎臓病食で上手に取り入れる方法について解説します。
パン派の朝食(1)低たんぱくのパンに替える
腎臓病の食事療法は、主食からたんぱく質を減らし、その分を肉や魚などのおかずで摂ることが一般的です。
そのため、まずは主食のパンを低たんぱく商品に切り替えることをおすすめします。
現在、低たんぱくのパンはとても幅広い種類が販売されています。冷凍の低たんぱくパンは保存性にも優れているため、食べたいときに温めて食べることができ大変便利です。
また、低たんぱくパンを手作りで楽しみたい方向けに、低たんぱくのパンミックスも販売されています。
オーブンでもホームベーカリーでも使用できますので、焼きたての美味しいパンを食べたいという方におすすめです。価格もリーズナブルなので、ぜひ試してみて下さい。
パン派の朝食(2)卵は揚げ焼きでエネルギーアップ
卵はたんぱく質が多いため、腎臓病と診断されてからはまったく召し上がらない方もいらっしゃいます。
ですが、卵のたんぱく質には、必須アミノ酸やビタミン、ミネラルといった様々な栄養素がバランスよく豊富に含まれているため、おすすめの食材です。
卵は、油やバターなどで揚げ焼きにすると、簡単にエネルギーアップできます。醤油やソースといった塩分の多い調味料を使わなくてもコクが出るので、腎臓病食にぴったりです。
もちろん、卵が食べられるかどうかはそれぞれのお体の状態によります。摂取量の目安を一度主治医や管理栄養士などに確認したうえで、毎日の食事に取り入れるようにして下さい。
パン派の朝食(3)ハムやベーコンは茹でこぼせばOK
ハムやベーコンなどの食肉加工品は塩分量や添加物が多いものがほとんどですが、茹でこぼせば腎臓病食にも使えるようになります。
沸騰したお湯で約1分間茹でると、表面にうっすらと油が浮いてきます。そうなったら完成です。加工品特有の臭いも取れるため、添加物が気になる方にもおすすめです。
腎臓病の朝食【2】ごはん派
ごはん派の朝食によく登場する白米や玄米、調味料などを腎臓病食で上手に取り入れる方法について解説します。
ごはん派の朝食(1)玄米よりも白米
玄米はとても栄養の多い健康食品ですが、カリウムとリンを多く含んでいるため、腎臓病の食事療法を行っている方は量に注意が必要です。特に、カリウム制限のある方はできるだけ控えましょう。
どうしても玄米を食べたい方は、事前に主治医に適量を確認することをおすすめします。
パン同様、ごはんもやはり主食からたんぱく質を減らしていきます。最近は低たんぱくの白米のほかに、玄米やパックご飯、切り餅など、様々な関連商品が展開されているので、ぜひ試してみて下さい。
ごはん派の朝食(2)減塩調味料を使う
和食のおかずは、全体的に洋食よりも塩分が高めです。そのため、腎臓病食が始まったら、できるだけ減塩調味料に切り替えることをおすすめします。
特に、様々な和食に使われる醤油と味噌から替えるとスムーズです。
また、これまで濃い味に慣れていた方は、「量に気をつける」と思っても、ついいつものように多く使ってしまいます。それを防ぐためにも、調味料は食卓に置かず、使う際に適量を小皿に出すようにしましょう。
醤油やソースなどの代わりに、薬味やこしょう、マヨネーズなどの調味料などに替えることで、だんだんと薄味にも慣れてきます。
ごはん派の朝食(3)腎臓病食のおかずを使う
和食の主食に合うおかずとして、腎臓病食用の市販品を使うのもおすすめです。
例えば、ひじきやぜんまい、大根などの煮物は、栄養面から毎日の食卓に取り入れたい副菜ですが、塩分に気をつけながら作るのは難しいメニューでもあります。
腎臓病食用の市販品はカリウムやリンなども控えてあるため、安心して召し上がれます。
パン派にもごはん派にもおすすめ!腎臓病食の朝食3選
パンにもごはんにも合い、できるだけ短時間で手軽に準備できる腎臓病食用の市販品を紹介します。
低たんぱくパン食べ比べ 5種セット(5種類各1個/計5個)
「低たんぱくパン食べ比べ 5種セット」は、2メーカーの人気商品5種類をセットにしてお届けします。初めて低たんぱくのパンを購入する方にも、毎日違うパンを食べたいという方にもおすすめです。
どちらのメーカーも、米粉を主成分にすることでたんぱく質・塩分・カリウムを調整している点は同じですが、味や食感が異なります。
おやつにも向いているので、ぜひ気軽に食べ比べをしてみて下さい。
ゆめベーカリーたんぱく質調整食パン(約100g)
ゆめベーカリーたんぱく質調整丸パン 50g
越後の食パン 50g×2枚
越後の丸パン 50g
越後のバーガーパン 80g
毎日パンを食べる習慣がなく、箱で買うと賞味期限に追われて食べる様になってしまうので、この5種のセットは色々食べられて量もちょうど良くとても便利です。
ごはん食べ比べセット 稲穂
低たんぱく食ごはん食べ比べセット 稲穂には主要メーカー5社のごはんを各2個ずつ、合計10食分がセットになっています。
メーカーごとによるお味の違いが分かり、たんぱく質量も1/5~1/35と幅広いので色々お味比べをでき、お気に入りのひと品が見つかるかと思います。
【購入者様の声】
腎臓病と診断されてから今までは普通のお米を食べてきましたが、タンパク質制限でおかずがあまり食べれなくてやっぱり低タンパク米にしようと思いこちらを購入させていただきました。色々な低タンパク米が食べ比べできて良かったです。その中で自分好みのとても美味しい低タンパク米がありこれからそちらの物を食べていくことにします。
これでおかずが増やせるので本当に助かりました。ありがとうございます。これから定期的に購入させていただきます。
【送料無料】はじめてセット 若葉 低たんぱく食品
「はじめてセット若葉 低たんぱく食品」は、少量ずつ試したいというお客様の声からできました。「色々なメーカーのごはんがあるけれど、一体どれが美味しいの?」や「最近低たんぱく食を始めたけど、なにからどうしたらいいのか分からないわ!」という方に、特におすすめです。
低たんぱくごはん5種
おかず5種
デザート5種
切干大根煮
ぜんまい煮
【購入者様の声】
ご飯は普通のパックご飯より透明度がありますが、特に普通のご飯と変わらないです。2パックで一つのご飯だけ、餅米が入っているかと思うくらいモチモチでした。おかずは薄味なので、物足りなさを感じるところはありますが、出汁やスパイスでカバーされている感じ。欲を言わなければ満足できるのではないでしょうか?食べたいものが食べられなくなる事を考えると、かなり有り難く、美味しいと思います。
まとめ:腎臓病食にも時短にも!朝食は市販品の活用がおすすめ
毎日、朝食の時間からゆっくり過ごせれば理想的ですが、実際はどうしても私生活や仕事などで慌ただしくなってしまいますよね。
そういう方には、腎臓病食のレトルト食品がおすすめです。電子レンジで加熱するだけなので、他のご家族の分と一緒に準備できます。
また、腎臓病の食事療法が始まったら、主食はできるだけ早めに低たんぱくのパンや白米に切り替えることをおすすめします。そのほうが手軽にたんぱく質を管理でき、量も多く召し上がれるので、食事に満足しやすくなります。
近年は種類がとても増え、味もずいぶん美味しくなりました。食べ比べのセットも販売されているので、ぜひ試してみて下さいね。