腎臓病の食事療法を始めると、これまで何気なく召し上がっていた食材一つ一つのたんぱく質や塩分などが気になり出しますよね。
例えば、「卵」をインターネットで検索すると、「高たんぱくなので注意が必要」「良質なたんぱく質なので摂ったほうがよい」など様々な情報が出てくるため、困ってしまう方が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、そんな「卵」をテーマに解説します。とても身近な食材ですが、腎臓病食には適しているのかどうかを中心に解説します。
記事後半には、腎臓病食にもおすすめの、卵を使った簡単レシピを紹介します。レシピのコツは他の食材でも応用できるので、ぜひ参考にして下さいね。
腎臓病の食事療法をしていても卵は食べられる?
卵は高たんぱくのイメージが強いため、腎臓病の食事療法を開始してからは一切摂らなくなったという方は珍しくありません。
ですが、卵は必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含んでいるので、主治医の制限がないようであれば、腎臓病食の方にも毎日召し上がってほしい食材です。
卵に含まれている9種類の必須アミノ酸や必須ミネラルの中には、人間の体内では作れないものが数多くあります。それらは食事を通して摂ることが一般的ですが、卵はその食材としてぴったりなのです。
また、腎臓病食が心がけている「良質のたんぱく質を適量摂る」ことにも向いています。1個当たりのたんぱく質が約6gと計算しやすいこともメリットです。
腎臓病食の方が卵を召し上がる際の目安は、たんぱく質制限が1日30gの場合で「1日1/2~1個」です。
腎臓病でもヘルシーに卵を食べるコツとは
いわゆる「ヘルシー志向」「健康志向」の食事は、高たんぱく・低カロリーを目標にしていることが一般的です。
ですが、腎臓病食が目指しているのはその逆で、「低たんぱく・高カロリー」が基本です。それに加えて、塩分・カリウム・リンも控える必要があります。
ここでは、そんな腎臓病食にぴったりの卵の調理法について解説します。
ポイント(1)おすすめの調味料はマヨネーズとオイル系
腎臓病食におすすめの調味料は、たんぱく質と塩分が控えめで、あまり腎臓に負担をかけない種類のものです。具体的にはマヨネーズやオイル系ドレッシング、オリーブオイル、ラー油、バター、酢、こしょう、ケチャップなどが挙げられます。
特に、マヨネーズやオイル系調味料はエネルギーアップもできるため、たんぱく質制限で体重が落ちてしまう方に向いています。
ですが、いずれも商品によって含まれる塩分が大きく異なるので、購入前には必ず成分表をチェックして下さい。
ポイント(2)揚げ焼きや炒め物でエネルギーアップ
たんぱく質制限の食事が始まると、人によっては必要なカロリーを摂取できず、体重が落ちてしまうことがあります。そのため、「エネルギーアップ」できる調理法を選ぶことも、腎臓病食では大切です。
卵を調理する際にも、簡単にエネルギーアップできる揚げ焼きや炒め物などがおすすめです。
反対に、網焼きや茹でる調理法は、食材の脂が流れ出てしまい、エネルギーを摂りにくい場合があります。もしも食事を摂っているにもかかわらず体重が落ちている方は、一度調理法も見直してみて下さい。
腎臓病食にもおすすめ!卵料理の簡単レシピ3選
短時間で簡単に作れる卵料理のレシピ3選を紹介します。他の食材で腎臓病食を作る際にも応用できるので、ぜひ参考にして下さい。
腎臓病食の卵料理(1)スクランブルエッグのマヨネーズ和え
スクランブルエッグのマヨネーズ炒めは、名前の通り、半熟に炒めた卵をマヨネーズで和えるメニューです。5分もあればできるため、朝食にもおすすめです。
ポイントは、卵の温度が下がってきてからマヨネーズで和えることです。熱い状態で和えると液体になってしまうので、気をつけて下さい。
仕上げに香りづけをする場合は、こしょうやハーブといった塩分の含まれていない調味料を選びましょう。
腎臓病食の卵料理(2)スペイン風オムレツ
スペイン風オムレツ(スパニッシュオムレツ)は、野菜をたっぷり入れることで卵1個でも満腹感を得られるため、腎臓病食におすすめです。
野菜は、じゃがいもや根菜類、きのこ類などが一般的ですが、旬のものをお好みで選んでも大丈夫です。カリウムが高いものは、茹でこぼしたり、水にさらしてから使うようにしましょう。
おすすめの調味料は、ケチャップです。トマトをベースにした野菜を煮詰めて作っているため、他の調味料よりも塩分が少なめです。
減塩商品の中には食塩をほとんど含まないものもあり、その分野菜の旨味を味わえるようになっているので、ぜひ試してみて下さい。
腎臓病食の卵料理(3)茶碗蒸し
茶碗蒸しは、電子レンジを使えば簡単に作れるので、腎臓病食にもおすすめのメニューです。
卵は1人分当たり1個にします。しいたけ、かまぼこ、にんじんは茹でこぼしてから使いましょう。だし汁を1/2カップ加えることで、食塩を控えてもコクのある茶碗蒸しになります。
腎臓病食の方のための減塩商品には、塩分をほとんど含まない和風だしもあるので、そちらもおすすめです。
腎臓病食でも手軽に卵料理が楽しめる!おすすめの市販品3選
卵を豊富に使ったメニューを召し上がりたいときは、腎臓病食用の市販品がおすすめです。
たんぱく質・塩分・カリウム・リンを調整しつつ、薄味でも満足できる工夫がされているので、ぜひ毎日の食卓に取り入れましょう。
【冷凍】いきいき御膳シリーズ とろとろ卵のオムライス 340g
「いきいき御膳シリーズ とろとろ卵のオムライス」は、チキンライスにとろとろの卵とデミグラスソースをかけた、洋食屋さん風の一品です。1食(340g)当たりのたんぱく質は、7.5gまで控えられています。
食べごたえもあるので、低たんぱく弁当のボリュームに物足りなさを感じている方にもおすすめです。
【購入者様の声】
低たんぱくにもかかわらず、ボリュームがあるので、家族共々、度々美味しく頂いております。注文への迅速な対応も助かっております。
【冷凍】みしまの御膳ほのか 親子煮 230g
温めるだけで美味しくお召し上がりいただける便利な冷凍弁当です。 たんぱく質と塩分を調整していますが、美味しさにこだわり妥協せずにつくりました。柔らかい鶏肉とトロトロの玉子を上品な甘さの出汁で煮込みました。 ※ごはんは含まれていません。
【メニュー】
・親子煮
・辛子和え
・じゃがいもとさつま揚げの炒め物
・ブロッコリーのフリット
ジンゾウ先生のマドレーヌ(マーマレード) 50g
オレンジ香るしっとりとしたマドレーヌです。
1個(50g)あたりエネルギーが202kcal摂取できます。
まとめ:腎臓病食にもおすすめ 栄養満点の卵でバランスよく
栄養満点の卵は、腎臓病の食事療法を行っている方にもぜひ召し上がってほしい食材の一つです。腎臓病食が目指す良質なたんぱく質や、ビタミンやミネラルなどをバランスよく含んでいます。
ですが、食材の適量はステージや持病などによってそれぞれ異なるので、あらかじめ主治医や管理栄養士に確認しておきましょう。
卵に限らず、腎臓病食のメニューは低たんぱく・高カロリーの調味料や薬味で味つけすることによって、薄味でも満足できるようになります。
マヨネーズやオリーブオイル、減塩バターにケチャップ、ハーブなどが特におすすめです。
また、オムライスやマドレーヌのように卵をたっぷり使ったメニューは、ご自宅でたんぱく質や塩分を控えて美味しく作るのが難しいので、腎臓病食用の市販品も積極的に活用しましょう。
冷凍保存しておけるものも多いので、備えとしていくつか自宅に置いておくのもおすすめです。豊富な種類の中から、ぜひ「食べる楽しみ」を想像しながら選んで下さいね。