私たちの健康と深いかかわりのある「栄養素」。特に高齢の方の場合、健康に与える影響が大きいので、毎日の暮らしの中で上手に摂っていきたいものですよね。
ですが、「重要」といわれる栄養素は非常に多く、結局どの栄養素をどの程度摂ればいいのかわかりにくい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、そんな「高齢の方が毎日摂りたい栄養素」をテーマに解説します。各栄養素の働きや目安量、含まれる食品・食材、そして手軽に摂るためのポイント3つを紹介します。
また、普段の食事に合わせて気軽に摂れるおすすめの市販品もまとめているので、ぜひ試してみて下さいね。
高齢の方の健康のために 栄養素と食品を徹底解説
高齢の方が健康を維持するために、特に大切な3つの栄養素について解説します。
(1)体の健康を保つ「たんぱく質」
良質なたんぱく質には、筋肉や血液になって健康を維持し、免疫力を高める働きがあります。私たちが元気に活動するための体作りに欠かせない栄養素です。
たんぱく質は、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品など、様々な食材から摂ることができます。ジュースや栄養補助食品なども豊富なので、お体に合った食材や食品を選びやすい特徴があります。
(2)体を動かすエネルギーになる「糖質と脂質」
糖質と脂質は、体を動かすエネルギーの源になる栄養素です。良質なたんぱく質で丈夫な骨や筋肉を作り、糖質と脂質を燃料にすることで活動できるのです。
糖質は、脳をはじめとする様々な組織のエネルギー源です。
脂質は、少量でも効率よくエネルギーを得られる大切な栄養素です。摂りすぎは肥満の原因になりますが、適量を摂ることは必要です。
(3)体の調子を整える「ビタミンやミネラル」
たんぱく質や糖質・脂質で健康を維持できたら、今度はしっかりと体全体の調子を整えてくれる栄養素を摂りましょう。
特に、体の調子を整えてくれるカルシウムやビタミン、鉄分、食物繊維などを積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンやミネラル、鉄分が不足すると、忘れっぽさや悪性貧血が起こりやすくなります。高齢の方は、特に意識して摂るようにして下さい。
高齢の方に必要な栄養素を手軽に摂るポイント3つとは
高齢の方に必要な栄養素はできるだけ手軽に、毎日の食事にも負担をかけないように摂りたいものですよね。ここでは、そのためのポイント3つを解説します。
(1)1日に摂りたい栄養や摂取量の目安は?
高齢の方に摂っていただきたい1日当たりの栄養の目安は、下記の通りです。
卵・乳製品:骨を強くし、体の力を強める。
例)卵1個、牛乳1~2杯、ヨーグルト1個
肉・魚・大豆製品:主に血や肉を作る。
例)薄切り肉3~5枚、納豆1パック、豆腐1/6丁
野菜・芋・果物:体の調子を整える。
例)緑黄色野菜100g、淡色野菜250g、りんご1/2個
穀類・油脂・砂糖:体のエネルギー源や体温の元になる。
例)ごはん1食に1杯、油・バター大さじ1程度、砂糖大さじ1程度
肉や魚を召し上がりにくい方は、たんぱく質を豆腐やヨーグルトから摂るなど、お体の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。
また、持病やアレルギーなどで主治医から食事制限の指示がある方は、必ずそれに従うようにして下さい。
参考:食事バランスガイド(厚生労働省・農林水産省)
(2)エネルギーとたんぱく質を中心に
高齢の方が健康や体力を維持して元気に活動するには、良質なたんぱく質とエネルギーを十分に摂ることが最も大切です。
そのうえで、カルシウム、ビタミンやミネラル、食物繊維などを様々な食品からバランスよく摂ることによって、免疫力の高い体を維持できるようになります。
(3)1日3食に様々な食材を取り入れる
年齢を問わず、私たちが健康を維持するためには、日々の食事にできるだけたくさんの種類の食品・食材を摂ることが大切だという報告があります。それによって免疫力が高まり、いつまでも元気に活動できるのです。
例えば、「たんぱく質」を摂る際に、いつも同じ食材ではなく、なるべく食材を変えて召し上がるようにしましょう。
また、不足しやすい栄養素がある方は、栄養補助食品の利用もおすすめです。
いつもの食事に一品を 高栄養を実現するおすすめの市販品3選
健康を維持する食品は、何よりも「負担なく続けられる」が一番のコツです。ここでは、毎日気楽に続けていただけるような、手軽で美味しい市販品を紹介します。
SOYプロテインパウダー 4.3g×50袋
「SOYプロテインパウダー」は、「SLプロテインパウダー+Zn」のリニューアル商品です。大さじ1杯(15m)でたんぱく質3.0g、アミノ酸スコア100が摂れる栄養機能補助食品です。
お粥やお味噌汁、濃厚流動食などに加えるだけでさっと溶けるので、毎日継続しやすい点もメリットです。また、乳成分を含まない植物性高たんぱく質で、料理や食べ物の風味を損なわないこともおすすめです。
小分け50袋に分かれており、手軽に持ち運べるため、いつでもどこでもお使いいただけます。
鉄分入りジュース アップル 195g
「鉄分入りジュース」は、1本当たり(195g)から、鉄分10mg、葉酸170μgが摂れるドリンクです。赤血球の健康を維持するのに大切な栄養素ですが、普段の食事ではどうしても不足しやすいので、ジュースで手軽に摂ることをおすすめします。
また、たんぱく質0g、食塩相当量0.08gなので、腎臓病食の方や生活習慣病予防の方にも安心してお飲みいただけます。
原材料には国産のりんごを使っているため、食の安全に気を遣っている方にもぴったりです。
同シリーズには、これ以外にオレンジ、アプリコットがあります。いずれも果汁10%が入っており、さっぱりとした飲み口が人気です。これからの季節に特におすすめできる商品です。
エネプロゼリー・セブン メロンソーダ味 80g
「エネプロゼリー・セブン」は、1個(80g)当たりエネルギー150kcal、たんぱく質7gを摂れるゼリーのシリーズです。低栄養状態の方や食欲不振の方でも召し上がれるよう、飲み込みやすい食感になっています。
エネプロゼリー・セブンには、高たんぱく質ゼリーには珍しい「メロンソーダ味」があります。少し懐かしさも感じられるので、ぜひ高齢の方に召し上がっていただきたい風味です。
同シリーズにはこれ以外にも、青リンゴ味、ミックスフルーツ味、さくらんぼ味があります。さっぱりとした人気のフルーツ風味で、暑い季節を乗り切りましょう。
まとめ:お体に合った栄養素を摂るためにもまずは主治医に相談を
高齢の方が健康を維持するための食品や食材は、「毎日ラクに」続けられるものがおすすめです。
ご自宅での料理から摂るのがラクな方は、たんぱく質とエネルギーを中心に献立を作りましょう。日ごろ不足しやすい栄養素があれば、おかずやデザートなどで補うとよいでしょう。
食事の品数を増やさずに使える顆粒タイプ、なめらかでつるりと飲み込みやすい食感のゼリー、様々な栄養素が一度に摂れるジュースなどは、特におすすめです。
ですが、栄養素は、お体の状態によっては控えなければならないものもあります。腎臓病の方はたんぱく質やカリウム、糖尿病の方は糖質など、必ずご自分やご家族のお体の状態をしっかり主治医に確認したうえで選ぶようにしましょう。