腎臓病の食事とは |
主に慢性腎不全(腎機能が30%以下に低下した状態)の方の食事療法を目的とした食事です。 高血圧管理と低たんぱく食と減塩を主体とした食事療法により、腎臓病の悪化を抑制することが可能です。 すなわち、透析を開始するのを遅らせること、場合によっては、生涯にわたり透析を回避することも可能となります。 日本人は、一日に平均70~80gのたんぱく質を食べています。腎臓病の進行を抑えるために、最も良い効果が期待できるのは0.5g/kg/日以下(20~30g)であり、低たんぱく食となります。0.6~0.8g/kg/日(30~50g)のたんぱく制限でも、効果はやや弱いものの有効です。 |
引用文献:
「私が作ったていたんぱく食レシピ集 1日たんぱく摂取量20gが可能な147品 腎不全の食事」 医療法人 良秀会 腎臓内科診療部門 食事療法研究会 |
腎臓病食を選ぶ際に注意する主な4つのポイント |
たんぱく質の摂取量を減らす。(※または低たんぱくのものを選ぶ) |
塩分を控える |
高カロリーな食べ物を摂取して、体の活動を維持する(たんぱく質を制限するのでカロリー摂取が減る為) |
リン・カリウムを取り過ぎない |
上記4つのポイントに注意するのはなぜ? |
どうして低たんぱく食? |
腎臓の役目のうち、重要なものが「老廃物のろ過」です。 食事で摂るたんぱく質は腎臓を通ってろ過され、老廃物が取り除かれます。 腎機能が弱ってきている人の場合、このろ過の機能が落ちてきており、たんぱく質が多い食事を摂りすぎると、ろ過機能を更に傷めてしまうことになります。 そこで腎臓の負担を少しでも軽くする為に老廃物を少なくする=老廃物を作り出すたんぱく質を減らすことが、腎臓の負担を軽くすることにつながるのです。 |
どうしてエネルギー補給? |
エネルギー(kcal)は、生命維持に不可欠のため、身長・体重に応じた必要量を摂る必要があります。 たんぱく質を制限するとエネルギー摂取量が低下し、たんぱく質の仕事である「体作り」ができなくなってしまいます。すると、身体は不足したエネルギーを補うため、自分自身の筋肉などのたんぱく質を分解します。分解されたたんぱく質はエネルギーとなった後腎臓でろ過され、排泄時に負担をかけてしまいます。 ですから、たんぱく質を制限しつつ、十分なエネルギー(カロリー・kcal)を摂る必要があるのです。 |
どうして減塩が必要? |
腎臓の機能が低下した状態では、ナトリウム(塩分)の排泄機能が落ちています。特に、高血圧の方では、塩分制限がとても大切です。塩分を摂り過ぎると血圧があがり、身体がむくんで、腎臓に過剰な負担をかけてしまうことになります。高血圧は腎不全の進行を速めてしまいますので、血圧のコントロールは大変重要です。 1日の塩分の摂取量は6gまで、できれば3~6gに抑えるのが理想的です。 |
その他注意点 |
腎臓の機能が低下すると血液中にリンがたまり、その結果血管に石灰化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まります。 また、余分なカリウムを除去できなくなり、体内に溜まりやすくなります。 食品に含まれるリン・カリウムの摂取量を制限する必要がある場合もでてきます。 また、水分のコントロールも必要な場合があります。 |
●たんぱく質調整食品 | |
●減塩・低塩食品 | |
●高エネルギー食品 | |